憧れのママ友
ママ友の前田さん(仮名)は、近所でも有名な「完璧ママ」。いつ会っても身なりがきちんとしていて、子どもへの接し方も穏やか。
SNSには手作りのおやつや彩りのきれいなランチが並び、「すごいな」「丁寧な暮らしってこういうことなんだろうな」と、正直少し憧れていました。同じ子育て中の身として、「どうやったらあんなふうにできるんだろう」と思うこともありました。
何気ない午後の出来事
ある日、子ども同士が仲良くなったことをきっかけに、前田さんのお家にお邪魔することに。リビングで子どもたちが遊んでいる間、前田さんは「飲み物出すね」とキッチンへ。
私も少しだけ様子を見に行くと、前田さんは「氷とってくるね」と言って冷凍庫を開け、そのとき、ほんの一瞬だけ中が目に入りました。
冷凍庫を開けた瞬間の真実
冷凍庫の中には、業務用の冷凍食品がぎっしり。意外な光景に一瞬だけ驚きましたが、ふとSNSで見ていた料理のことを思い出して、私は自然とこう言っていました。「前田さんって、料理ほんとすごいですよね。いつもおいしそうで。」
すると前田さんは、少し照れたように笑って一言。「いや、あれ9割冷食だよ。盛り付けと食器集めだけ頑張ってるの!」そのあまりにもあっけらかんとした言い方に、思わず2人で大笑いしてしまいました。
完璧に見えた人の、ちょうどいいリアル
SNSでは、どうしてもきれいに整った部分だけが切り取られて見えます。でも、実際の生活はみんな同じで、どこかで上手に手を抜きながら回しているものなのかもしれません。
完璧に見えていた前田さんも、実は自分なりの工夫で家事と子育てを乗り切っていました。それを知ったとき、「なんだ、みんな同じなんだな」と、少し肩の力が抜けた気がした出来事でした。
【体験者:30代・主婦、回答時期:2025年2月】
※本記事は、執筆ライターが取材又は体験した実話です。取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。
EPライター:Miki.N
医療事務として7年間勤務。患者さんに日々向き合う中で、今度は言葉で人々を元気づけたいと出版社に転職。悩んでいた時に、ある記事に救われたことをきっかけに、「誰かの心に響く文章を書きたい」とライターの道へ進む。専門分野は、インタビューや旅、食、ファッション。