「おつかい」のお願い
ある日、小学校3年生くらいの女の子が3人でお店にやってきました。そのうちの1人が、私に声をかけてきました。「おつかいで洗濯洗剤を頼まれているんですが、どこにありますか?」洗濯洗剤は種類も多いため、私は女の子と一緒に売り場を見ながら、どんな商品なのか丁寧に聞き取りをしていました。
しかし、しばらく探していると、突然女の子がこう言ったのです。「すみません! この中にないみたい。ありがとうございました!」私は「え?」と少し不思議に思いながらも、「そうなんだね、わかりました」と答え、女の子たちを見送りました。
店長が気づいた違和感
女の子たちがお店を出ようとした、その時です。店長が女の子たちを追いかけ、声をかけました。「君たち、お金を払っていない商品を持っているよね?」女の子たちはその場で止められ、そのまま事務室へ。
そこで分かったのは、なんと化粧品やお菓子など、数万円分の商品を万引きしようとしていたという事実でした。
小学生とは思えない手口
さらに話を聞いてみると、驚くべきことが分かりました。3人にはそれぞれ役割があったのです。1人は店員に声をかけて遠くへ誘導する係。もう1人は周囲を見張る係。そしてもう1人が、その隙に商品を盗む役割でした。
小学生、しかも低学年に近い子どもたちが、役割を決めて計画的に万引きをしていたことに、私は大きな衝撃を受けました。
「ネットで見た」という言葉
さらに驚いたのは、女の子たちがその手口についてこう話したことでした。「アプリの動画で見た」……最近は低学年のうちからスマートフォンを持っている子も少なくありません。便利な一方で、思いもよらない情報に触れてしまうこともあるのだと、改めて考えさせられました。
私自身にも、まだ小さい子どもがいます。スマホは持たせていないものの、タブレットで動画サイトを見ることはあるため、「子どもが何を見ているのか、今まで以上に気を配らなければ」と感じました。
そして、どんな情報を目にしたとしても、「悪いことはしてはいけない」という当たり前のことを、きちんと伝えていく大切さを改めて実感した出来事でした。
【体験者:30代・接客業、回答時期:2025年8月】
※本記事は、執筆ライターが取材又は体験した実話です。取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。
EPライター:Mio.T
ファッション専攻の後、アパレル接客の道へ。接客指導やメンターも行っていたアパレル時代の経験を、今度は同じように悩む誰かに届けたいとライターに転身。現在は育児と仕事を両立しながら、長年ファッション業界にいた自身のストーリーや、同年代の同業者、仕事と家庭の両立に頑張るママにインタビューしたエピソードを執筆する。