いつもの会計のはずが……
私が働くカフェでは、現金やクレジットカード、コード決済などさまざまな支払い方法が利用できます。そのため会計の際には、すべてのお客様に「お支払い方法は何になさいますか?」と確認するのが決まりでした。
ある日、コーヒーを注文した50代くらいの男性のお客様が会計にやってきました。私はいつものようにお客様に尋ねました。「お支払い方法は何になさいますか?」すると、男性はその言葉を遮るように、突然声を荒げたのです。
「〇〇ペイに決まってるだろ!! そんなこともわからないのか!!」
突然の怒声にフリーズ
思いがけない大きな声に、私は一瞬フリーズしてしまいました。なぜ怒られているのか分からず、頭の中が真っ白になります。それでも仕事なので、「か、かしこまりました」と対応しようとした、そのときでした。後ろに並んでいた女性が、男性よりもさらに大きな声でこう言ったのです。
「知るわけないやろ!!」
まさかのツッコミ
あまりにも突然の大きなツッコミに、その場の空気が一瞬止まりました。私も男性客も思わずびっくり。男性は少しバツが悪そうにブツブツ言いながら会計を済ませ、そのまま店を出ていきました。
あまりに鮮やかな一言だったので、私は内心スッキリ。驚きながらも、「救世主だ!」と感じました。
思わぬ「ストレス発散」
次に会計の順番になったその女性に、私は思わず声をかけました。「あの……先ほどはありがとうございました」すると女性は、少し照れくさそうに笑いながらこう言ったのです。
「ああ、ごめんなさいね。私イライラしてて! ちょうどいいストレス発散になったわ!」そのカラッとした言い方に、私もつられて笑ってしまいました。
男性の横暴な態度には驚いたものの、思いがけない援護射撃のおかげで、気持ちが軽くなった出来事でした。
【体験者:30代・飲食店勤務、回答時期:2020年2月】
※本記事は、執筆ライターが取材又は体験した実話です。取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。
EPライター:Mio.T
ファッション専攻の後、アパレル接客の道へ。接客指導やメンターも行っていたアパレル時代の経験を、今度は同じように悩む誰かに届けたいとライターに転身。現在は育児と仕事を両立しながら、長年ファッション業界にいた自身のストーリーや、同年代の同業者、仕事と家庭の両立に頑張るママにインタビューしたエピソードを執筆する。