妊娠8か月、電車での出来事
妊娠8か月の頃はお腹もだいぶ大きくなり、生きているだけで呼吸が苦しく感じました。さらに貧血も抱え、毎日鉄分の薬を飲んで過ごしていました。
そんな中、ある日電車に乗ったとき、車内はそこまで混んではいませんでしたが、座席はすべて埋まっており、優先席にも先客がいました。
優先席に座っていた人たちの反応
座っていたのは、30代のサラリーマン風の男性2人、50代くらいの男性、そしてランドセルを背負った小学生の男の子。サラリーマン風の2人はアプリゲームで盛り上がっており、もう1人の男性は雑誌を読んでいました。
私の体調を心配した友人が「妊婦さんが貧血気味なので、どなたか席を譲っていただけませんか?」と声をかけました。しかしアプリゲームの2人は私のお腹を一瞥し、何事もなかったかのようにゲームに戻り、雑誌を読んでいた男性は「お腹が大きいだけで病気でもあるまい」とつぶやいたのです。
思いがけない優しい行動
みんな仕事で疲れているんだろう……と考えていると、小学生の男の子が「お腹に赤ちゃんがいるの、気づかなくてすみません!」と突然立ち上がり私に席を譲ってくれたのです。その姿に周囲の大人たちも思わず感動。
近くにいた3人組のマダムの1人が「あの子えらいわね」「大人よりよっぽど気遣いができるわね」と言ったことで、周囲の視線もゲームをしていた男性たちへ。2人は居心地が悪かったのか、別の車両に移動しました。
子どもの行動に感じたこと
席を譲るかどうかはそれぞれの価値観であり、義務でもありません。妊婦だから譲られて当然だとも思いません。
しかし、そんな曖昧なルールのなかで、小学生の男の子が自発的に他人のために動いた行動に、心から感動しました。子どもながらに周囲を見て行動できるその姿に胸を打たれ、もし自分の子どもが生まれたら、この出来事を必ず伝えたいと思ったエピソードです。
【体験者:30代・女性会社員、回答時期:2019年8月】
※本記事は、執筆ライターが取材又は体験した実話です。取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。
EPライター:Rio.K
大学卒業後、保険会社で営業関係に勤務。その後は、エンタメ業界での就業を経て現在はライターとして活動。保険業界で多くの人と出会った経験、エンタメ業界で触れたユニークな経験などを起点に、現在も当時の人脈からの取材を行いながら職場での人間関係をテーマにコラムを執筆中。