上司の前では“かわいい部下”のフリ
営業部署にいた頃の実体験です。北山さん(仮名・30代男性)は出世意欲が人一倍強く、上司の前では腰が低い“かわいい部下”タイプ。
ところが女性社員や後輩にはきつく当たり、どこか見下すような態度を取ることも。周囲もそれとなく気づいてはいたものの、表向きは上司受けがよく、はっきり指摘されることはありません。
そんな北山さんと同じ部署で働く中、あるとき私が進めていた案件で、気になる出来事が起こりました。
自分の案件のような報告
私が企画した新規提案が、取引先との打ち合わせを重ねながら少しずつ形になってきた頃のことです。北山さんがその途中経過を課長に「自分の案件」のように報告していました。私との雑談の中で話した進捗を、まるで自分が主体となっているかのように伝えていたのです。
正直悔しさはありましたが、感情的になっても仕方がありません。私は客先との最終調整が整った段階で、先に課長へ正式に相談し、企画が実現する見込みであることを共有しました。
会議室に落ちた沈黙
数日後の会議で、北山さんはいつもの調子で報告します。「現在この案件は順調で、来週か再来週には話を詰めます」と自信満々です。その瞬間、課長が静かに言いました。
「もうまとまったって聞いてるけど?」会議室の空気が一瞬止まり、周囲のメンバーも思わず目くばせ。北山さんの笑顔が固まり、言葉が続きませんでした。
課長の一言で流れが変わる
さらに課長は「正式な窓口は彼女だよね。相談や報告は直接受けてるよ」。それ以上の言い訳は出ませんでした。それ以降、北山さんが私の案件に“横入り報告”をすることはなくなりました。
手柄を横取りするよりも、正面から正々堂々と積み上げたほうが結局は信頼も数字も勝ち取れると感じた出来事でした。
【体験者:30代・女性会社員、回答時期:2021年7月】
※本記事は、執筆ライターが取材又は体験した実話です。取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。
EPライター:Rio.K
大学卒業後、保険会社で営業関係に勤務。その後は、エンタメ業界での就業を経て現在はライターとして活動。保険業界で多くの人と出会った経験、エンタメ業界で触れたユニークな経験などを起点に、現在も当時の人脈からの取材を行いながら職場での人間関係をテーマにコラムを執筆中。