新人にやたら声をかけてくる“自称育成係”の常連客。最初は親切な人に見えましたが、レジに立った新人への態度は育成する気などなさそう……。私の友人田口さん(仮名・20代女性)も困っていましたが、ついに店長がきっぱり対応するきっかけとなる出来事が起こりました。

新人を気にかける“優しい常連客”

私がバイトしていたコンビニでの実体験です。その店には、“自称育成係”を名乗る常連の男性がいました。「新人は俺が鍛えてやる」「みんな俺が育てたんだ」と声をかけてくる、一見すると面倒見のよさそうな人物。

新人スタッフたちも初めは「気にかけてくれる優しい常連さん」と感じ、心強く思っていました。

レジに立つと態度が一変

ところが、いざ新人がレジに立つと男性の態度は一変。「なんだキミか。急いでるんだよ」と舌打ち混じりで急かし、公共料金の支払いなどイレギュラーな業務になると、「これもまだ覚えてないの?」「前も教えただろ?」と人前でちくちく指摘します。

“指導”のつもりなのかもしれませんが、言われる側の新人は委縮し、次第にその男性の対応を怖がるようになってしまいました。

店内に響いた怒鳴り声

ある日、郵送手続きの対応中に再び男性が急かしてきました。焦った新人が操作を間違えると、男性は突然声を荒らげ、「使えないな!」と怒鳴ったのです。店内の空気が一瞬で凍りつきました。

見かねた店長がすぐに対応し、「お客様、スタッフへの威圧的な言動はお控えください」ときっぱり伝えます。すると男性は「俺は教育してやってるんだ」と反論。

店長の冷静な対応

しかし店長は冷静に続けます。「教育は当店が行います。本日は操作ミスがありご迷惑をおかけして申し訳ありません。ただ、業務を妨げる行為が続く場合、来店をお断りします」

周囲の客の視線も集まり、男性は捨て台詞を残して退店。その後も同様の言動があったため、最終的には出入り禁止に。

悪気はなかったのかもしれませんが、「応援しているつもり」という言葉ほど厄介なものはありません。新人を育てるのはお客ではなく、現場の人間なのだと、スタッフ全員が胸をなで下ろした出来事でした。

【体験者:20代・女性会社員、回答時期:2025年1月】

※本記事は、執筆ライターが取材又は体験した実話です。取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。

EPライター:Rio.K
大学卒業後、保険会社で営業関係に勤務。その後は、エンタメ業界での就業を経て現在はライターとして活動。保険業界で多くの人と出会った経験、エンタメ業界で触れたユニークな経験などを起点に、現在も当時の人脈からの取材を行いながら職場での人間関係をテーマにコラムを執筆中。