いつの時代にも、どの世代にも存在する“いじめ”。その対象が大切な家族や友人だとしたら。もし、その大切な人が落書きされたノートや教科書を隠していて、それを思いがけず発見してしまったら。あなたはそれをいじめと断定しますか? それとも……今回は、私のお客様のエピソードをご紹介します。
娘の部屋で
私には中学生の娘Aがいます。ある日、娘の部屋を掃除していると、ベッドの下から油性マジックでぬりつぶされたノートや教科書を数冊発見。自分の鼓動が早くなるのを感じました。そして私はそれを見て「いじめに違いない」と確信したのです。
問い詰めと拒絶
帰宅した娘に問い詰めると「自分でやった」の一点張り。私が「担任に連絡する」と言うと娘が血相を変えて「絶対にやめて!」と拒絶しました。「なら犯人を教えて」と迫っても「わからない」「知らない」と答えるばかり。
「これは立派ないじめだ」と私が言っても「いじめなんかじゃない!」と娘。話し合いは数時間に及びました。
妹の訪問
その時、近所に住む妹が突然訪ねてきました。母娘のただならぬ様子に動揺した妹は「お姉ちゃん、ごめん! もしかして私のせい?」と謝罪。菓子折りを渡しながら「〇〇(姪)のせいでしょ?」と言うのです。中を見るとお菓子と一緒に新品のノートが数冊。
実はノートに落書きしたのは3歳の姪でした。娘は姪が怒られることを懸念し、犯人は分からないと言い続けていたのです。妹は「昨日、私の手帳に〇〇が落書きしてて。叱ったら『Aちゃんちでもやった』って言うから……」と説明。
先日うちに遊びに来た際、姪が娘の部屋でノートに落書きしてしまったのでした。
謝罪と反省
姪は私のメイクポーチにもいたずらをしていて、私と妹に叱られていました。その姿を見ていた娘は、姪を不憫に思い、また叱られないように黙っていたのです。
私はいじめと決めつけて強く問い詰めてしまったことを娘に深く謝罪しました。そして、自分では強く叱ったつもりはなくても、第三者である娘から見ればかなり強く映っていたことを知り、叱る時は感情的にならず、声の大きさや言葉を冷静に選ぶことを誓いました。
思い込みは時に相手の沈黙を生むことも。真実を知るには、問い詰めるよりも寄り添う姿勢が大切なのかもしれません。
【体験者:30代・女性会社員、回答時期:2026年3月】
※本記事は、執筆ライターが取材又は体験した実話です。取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。
EPライター:桜井ひなの
大学卒業後、金融機関に勤務した後は、結婚を機にアメリカに移住。ベビーシッター、ペットシッター、日本語講師、ワックス脱毛サロンなど主に接客領域で多用な仕事を経験。現地での出産・育児を経て現在は三児の母として育児に奮闘しながら、執筆活動を行う。海外での仕事、出産、育児の体験。様々な文化・価値観が交錯する米国での経験を糧に、今を生きる女性へのアドバイスとなる記事を執筆中。日本でもサロンに勤務しており、日々接客する中で情報リサーチ中。