ケチと節約は紙一重。昨今の物価高でお財布の紐をきつく締めるようになった方も多いことでしょう。節制することは素晴らしいこと。しかし度が過ぎたり、方向性を間違ってしまうと……。今回は私の友人から聞いた、いき過ぎた節約にまつわるエピソードをご紹介します。
ドケチなママ友
私には、Fというドケチなママ友がいます。割り勘の場面では「1050円だけど50円玉ないから1000円でもいい?」と切り出し、「おつりあるよ」と言われても「今度払うね! 待たせちゃ悪いし!」と数十円をケチるのです。
さらに、まとめて会計する時は必ずポイントが貯まる店を選び、支払いは1円単位できっちり請求してきます。スーパーで遭遇すればパンのシールを要求したり、ガチャガチャでダブりが出た子に「じゃあ頂戴」と言ったり。そんなFの行動に、周囲は呆れ気味でした。
近づく卒園
卒園が近づき、クラス全体で担任の先生に寄せ書きと花束を贈ることになった時のこと。Fは「花と寄せ書きって強制? 有志だよね? 私は不参加で!」と即座に辞退。
先生へのプレゼントに息子のメッセージがないのは可哀想だと思い、私はFに「寄せ書きだけでも」と勧めました。するとFは「お金かかる? かかるならやらない。感謝は直接伝えるものだから」と拒否。
しかし「私のページに一緒に書かない? それならお金もかからないし、息子くんも書けるし」と促すと、「そこまで言うなら」と寄せ書きに参加しました。
卒園式当日
Fは誰に聞かれるでもなく「この卒園式用のスーツはフリマアプリで千円でゲットしたの! コサージュを変えれば入学式にも使えるし、色的に冠婚葬祭全部いけるよね」と節約自慢。
そんなFをよそに、寄せ書きと花束を「クラス一同」として先生に贈呈。先生は感激の涙を流しました。そして「一人一人にお礼と、今までの思い出を言いたい」と保護者に感謝を伝え始めたのです。
天然な先生の一言
Fの番になると「Fさん、お気持ちだけでも十分嬉しいです」と前置き。続けて息子との思い出を語る先生。しかし他の保護者には「寄せ書きとお花ありがとうございます」から始めていたため、Fだけが特別なお礼の言葉になってしまいました。
天然で有名な先生の言葉は嫌味ではなく本心でしたが、結果的にFがケチであることが全員に露呈する形となったのです。恥ずかしそうにするF。その後の謝恩会は事前会費制だったため、さすがのFもきちんと支払いました。
最後の最後で、Fが節約した数十円よりも大きな“恥の代償”を払うことに。結局、浮かせた小銭よりも失ったものがずっと高くついたのです。
【体験者:30代・女性会社員、回答時期:2026年3月】
※本記事は、執筆ライターが取材又は体験した実話です。取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。
EPライター:桜井ひなの
大学卒業後、金融機関に勤務した後は、結婚を機にアメリカに移住。ベビーシッター、ペットシッター、日本語講師、ワックス脱毛サロンなど主に接客領域で多用な仕事を経験。現地での出産・育児を経て現在は三児の母として育児に奮闘しながら、執筆活動を行う。海外での仕事、出産、育児の体験。様々な文化・価値観が交錯する米国での経験を糧に、今を生きる女性へのアドバイスとなる記事を執筆中。日本でもサロンに勤務しており、日々接客する中で情報リサーチ中。