産後、限られた時間で働く「時短勤務」の難しさを痛感する日々。そんな中、同じ部署で働くフルタイムの後輩と、働き方の違いから少しすれ違ってしまった出来事がありました。余裕のなさと焦りから、つい後輩にかけてしまった言葉と、その後の歩み寄りについてのエピソードをご紹介します。

限られた時間で働く焦りと、フルタイムの後輩

私は子どもを出産後、時短勤務で会社に復帰しました。退勤時間が厳密に決まっているため、毎日限られた時間内でいかに集中して業務を終わらせるか、常に時間に追われる日々を送っていました。

同じ部署には、フルタイム勤務の後輩がいました。彼女は時折スマホを触ったり、席を外す時間が少し長かったりすることがありました。私自身は常に1分1秒を争う状況だったため、「時間が足りなくなっても、残業でカバーできるフルタイムの働き方とは、少しリズムが違うのかな」と、働き方の違いを感じていました。

繁忙期の夕方、つい口から出てしまった一言

ある繁忙期の夕方のことです。私は退勤時間が迫る中、どうしてもその日のうちに仕上げなければならない資料の作成に追われていました。心の中は焦りでいっぱいです。

そんな締め切り直前のピリピリしたタイミングで、後輩がふらっと席を外そうとしました。普段なら気にならないはずの行動に、その時の私は完全に余裕をなくしており、つい声を少し荒げて言葉をこぼしてしまったのです。

「今、この忙しい状況で席を外すのは違うんじゃないかな?」 私の言葉に、オフィスが一瞬静まり返りました。後輩は驚いた顔で固まっています。

「私は残業できない」言葉の重みと気まずい空気

一度口に出してしまった焦りは止まらず、私は続けてこう言ってしまいました。 「私は残業できないの。限られた時間内でやるしかないんだよ……」

言い終わった瞬間、自分でも「言い過ぎてしまった」と激しく後悔しました。自分の余裕のなさを、働き方の違う後輩にぶつけてしまったのです。その日はフォローする時間もなく、気まずい空気のまま退社することに。帰り道も、自分のキツい発言と思い上がりに反省するばかりでした。

本音の話し合いで気付いた、お互いの姿勢

後日、この件について上司を交えて話し合いの場が持たれました。実は他の同僚も、後輩の業務中の態度を少し気にしていたことが分かりました。

後輩は「フルタイムだから時間に余裕があると思われるのが嫌で、少し意固地になっていた部分がありました」と本音を打ち明けてくれ、仕事に対する態度を改めると約束してくれました。その後、彼女が業務中に長く席を外すことは目に見えて減りました。

同時に私自身も、心のどこかでフルタイムへの劣等感や焦りがあったことに気付かされました。働き方が違っても、仕事への責任は同じです。互いの優劣ではなく、仕事に向き合う姿勢の問題だったのだと、深く自分を見つめ直すことができた大切な出来事でした。

【体験者:20代・女性会社員、回答時期:2022年10月】

※本記事は、執筆ライターが取材又は体験した実話です。取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。

EPライター:北山 奈緒
企業で経理・総務として勤務。育休をきっかけに、女性のライフステージと社会生活のバランスに興味関心を持ち、ライター活動を開始。スポーツ、育児、ライフスタイルが得意テーマ。