義父、まさかの家出
義父は、とにかく明るくて話好き。周りのみんなから慕われる「愛されキャラ」でした。そんな義父がある日、スーツケースを片手に我が家に現れたのです。
どうやら義母と大ゲンカをしたらしく、「ちょっと頭を冷やしたい」とのことで私たちとのプチ同居が始まりました。
にぎやかな日々と、ひとつの問題
私たちは共働きだったため、義父が率先して保育園の送迎を引き受けてくれることになりました。孫と過ごす時間がうれしいようで、毎日楽しそうな義父。家の中もにぎやかでした。ただし、ひとつだけ問題が……。
それは義父はお惣菜反対派で、「やっぱり、ごはんは手作りが一番だな」が口ぐせだったのです。そのため、私はなんとか毎日早帰りして自炊を頑張っていたのですが……。
こっそり仕込んだ「自炊風のお惣菜」
ある日仕事が立て込んでしまい、心も体も疲れが限界でした。「今日くらいはいいよね!」と帰り道にふらりとスーパーに立ち寄り、いくつかお惣菜をこっそり購入。
家に帰ってお皿に移し替え、少しだけアレンジ加えて、まるで自分で作ったかのように食卓に並べました。少しの罪悪感と、「バレませんように」という祈りとともに――。
格別においしい……!?
「おいしい! いつも〇〇ちゃんが作る料理は美味しいけど、今日のは格別に美味しいね〜」とベタ褒め! 私は思わず箸を落としそうになりました。
家出が終わった後も、「あのとき〇〇ちゃんに作ってもらったおかずが忘れられない」と義母に話しているそうです。義母からは「今度、作り方教えてくれる?」と頼まれ、ただ苦笑いするしかありません。あの日の「格別の味」は私の一生の秘密です。
【体験者:30代・女性会社員、回答時期:2025年5月】
※本記事は、執筆ライターが取材又は体験した実話です。取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。
EPライター:島田歩実
元銀行員として、女性のキャリアやお金にまつわるあれこれを執筆中。アメリカへの留学経験もあり、そこで日本社会を外から観察できたこともライターとしての糧となる。現在はSNSなどを介してユーザーと繋がり、現代女性の声を収集中。