イヤイヤ期で迎えた結婚式
義妹夫婦の結婚式に家族で招かれました。その頃、双子の娘は2歳。イヤイヤ期まっただ中です。人がたくさん集まる場所に、静かに座っている時間が長い挙式。きちんとした服、普段とは違う空気。どう考えても、イヤイヤスイッチが入りそうな条件が揃っていました。
何よりも怖かったのは、義妹の大切な『一生に一度』の日を、私たちが邪魔してしまうかもしれないことでした。
夫婦で汗だくの挙式
不安でいっぱいのまま迎えた当日。案の定、挙式の時点で娘たちはグズグズ。片方をなだめれば、もう片方が泣き出します。夫と目を合わせながら、小声であやし、必死に対応する時間……。
なんとか式をやり過ごしましたが、「まだ披露宴があるのに……」と、この先の長さを思って私は正直泣きそうになっていました。
席に用意されていたもの
披露宴会場に入り、娘たちの席を見た瞬間、私は思わず立ち止まりました。そこにはシールブックや絵本、ぬいぐるみなど、小さな子どもが喜びそうなプレゼントがたくさん並んでいたのです。
そして披露宴の冒頭、新郎がマイクを持ち、「本日は新婦の大好きな姪っ子たちも出席してくれています」「どうかあたたかく見守ってください」と話してくれました。
会場はやわらかな拍手に包まれ、その音を聞いた瞬間、張りつめていた気持ちがふっとほどけました。私たちは『迷惑をかけるかもしれない存在』ではなく、『歓迎されている存在』としてそこにいたのだと、義妹夫婦が教えてくれた気がしました。
あたたかい披露宴
その後は、会場のあちこちから「可愛いね」「何歳?」と声をかけてもらい、少し歩き回ってしまったときも近くの方が相手をしてくれたり、笑いかけてくれたりしました。
もちろん、完璧に静かだったわけではありません。それでも、あたたかい雰囲気の中で披露宴は進みました。
義妹からのメッセージ
翌日、義妹から「大変な中出席してくれてありがとう」とメッセージが届きました。さらに、彼女の友人たちからの「姪っ子ちゃんたち可愛かった〜!」「もっと遊びたかった!」という言葉のスクリーンショットまで添えられていて、私はスマホを見ながらようやくほっと息をつきました。
「迷惑をかけないように」と身構えていた私は、窮屈になりすぎていたのかもしれません。義妹夫婦がさりげなく用意してくれた優しさに、何度も救われた一日でした。
【体験者:20代・主婦、回答時期:2024年7月】
※本記事は、執筆ライターが取材又は体験した実話です。取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。
EPライター:辻 ゆき乃
調剤薬局の管理栄養士として5年間勤務。その経験で出会ったお客や身の回りの女性から得たリアルなエピソードの執筆を得意とする。特に女性のライフステージの変化、接客業に従事する人たちの思いを綴るコラムを中心に活動中。