私の友人の実体験です。幽霊と聞くと怖いもの、おぞましいものを想像してしまいますが、それが大好きな家族や恋人だとしたらどうでしょうか。怖さは半減し、むしろ幽霊でも構わないから会いたい、と思うこともあるかもしれません……
娘の一言
私は数か月前に実父を亡くしました。父が大好きだった私は深い喪失感を抱えながら、泣いて過ごす毎日。
そんなある日、2歳の娘が「おじいちゃんが見てるよ」と言い始めたのです。私は怖さよりも「父が見守ってくれているのだ」と受け止め、娘にもそう伝えました。
夫の不安
翌日も、その次の日も「今日もおじいちゃんが見てるよ」と繰り返す娘。私は気にしませんでしたが、夫は次第に不安を募らせました。
「君がそこまで想っているとお義父さんも成仏できないんじゃない? ちゃんとお別れしないと」と告げる夫。しかし私は父との別れをどうしても受け入れることができず、夫の提案を拒絶し続けていました。
お寺からの連絡
そんな中、母から電話がありました。先祖代々お世話になっているお寺から、予約していた四十九日の法要の日程を早めてほしいと連絡があったと。これまで一度もなかった異例のお願いに母も驚いていましたが、しぶしぶ日程を変更。
当日を迎えると、住職は私を見るなり別室に誘導したのです。そして「悪い霊が憑いている」と告げげられました。娘が言っていた“おじいちゃん”は実父ではなく、全く別の悪霊で、「心に穴が開いた隙に悪い霊が入り込んだ」と説明してくれました。
さらに「実はお父様が私の枕元に現れ、日程を早めるように言ってきたのです。あなたを守るためだったのでしょう。もし当初の予定通りの日程であれば、あなたは取り返しのつかない状況に陥っていたかもしれません」と続けました。
父への感謝
私は父だと思っていた存在が悪霊だったこと、そして守ってくれていたのが本当の父だったと理解しました。その瞬間、心から「ありがとう」と「さようなら」を伝えることができたのです。それ以来、娘は「おじいちゃんが見てる」と言わなくなりました。
愛する人を失った悲しみは何ものにも代え難いもの。しかし同時に、亡き人への感謝と別れをきちんと告げることが、残された者にとって大切な一歩になるのだと思います。
【体験者:30代・女性会社員、回答時期:2026年2月】
※本記事は、執筆ライターが取材又は体験した実話です。取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。
EPライター:桜井ひなの
大学卒業後、金融機関に勤務した後は、結婚を機にアメリカに移住。ベビーシッター、ペットシッター、日本語講師、ワックス脱毛サロンなど主に接客領域で多用な仕事を経験。現地での出産・育児を経て現在は三児の母として育児に奮闘しながら、執筆活動を行う。海外での仕事、出産、育児の体験。様々な文化・価値観が交錯する米国での経験を糧に、今を生きる女性へのアドバイスとなる記事を執筆中。日本でもサロンに勤務しており、日々接客する中で情報リサーチ中。