「まだ預けないの?」
私は第一子を出産し、現在は育休中です。いずれは保育園に預けて復職する予定でいましたが、近隣の保育園はどこも満員で、すぐに入園できる状況ではありませんでした。空きが出るタイミングを待ちながら、こまめに問い合わせを続けていました。
そんな中、義母から子育てについて声をかけられることが増えていきました。会うたびに「まだ保育園に預けないの?」と聞かれ、「1歳になったら、ちゃんと外に出さないとかわいそうよ」と言われるようになったのです。
善意の言葉が胸に刺さる
義母は続けて、「小さいうちから集団生活に慣れたほうがいい」「いつまでもママと2人は良くない。だから人見知りが直らないのよ」と話しました。私は「保育園に入れないだけなんです」とやんわり説明していましたが、「でも努力が足りないんじゃない?」という空気を感じてしまいました。
ある日、義母にはっきりと言われました。「1歳で預けないなんて、その子がかわいそう」と。預け“ない”のではなく、預け“られない”現実がある。何度も園に連絡し、空きを待ち、できることはすべてしてきた。それでも「かわいそう」と言われてしまう。善意だからこそ反論できず、その言葉が胸に深く刺さりました。
笑って受け流した、その夜
その場では笑って受け流しましたが、帰宅後、私はひとりで泣きました。「頑張っていない」と言われた気がして、心が折れてしまったのです。義母に悪気がないことは分かっています。それでも、“正しさ”で追い詰められることがあるのだと、そのとき初めて知りました。
子育ての苦しさは、強い叱責よりも、善意の一言で深く残ることがあるのだと実感しました。
話を聞いてくれた人の存在
その夜、泣いている私に気づいたのは夫でした。事情を話すと、「入れたくないわけじゃないのに、そんな言い方ないよな」と言ってくれました。
そして翌日、義母にさりげなく伝えてくれたのです。「空きがなくて本当に困っている。努力していないわけじゃない」と。義母は驚いた様子で、「そんなに大変だとは思っていなかった」と言い、強い言い方だったことを詫びてくれました。
後日、ママ友にも打ち明けると、「それ、うちも言われたよ」と笑い飛ばしてくれて、「頑張ってるよ」と言ってくれました。ひとりで抱え込んでいた重さが少しだけ軽くなり、子育てに正解はないのだと改めて感じることができました。
【体験者:30代・女性会社員、回答時期:2024年10月】
※本記事は、執筆ライターが取材又は体験した実話です。取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。
EPライター:北山 奈緒
企業で経理・総務として勤務。育休をきっかけに、女性のライフステージと社会生活のバランスに興味関心を持ち、ライター活動を開始。スポーツ、育児、ライフスタイルが得意テーマ。