私の友人で営業の仕事をしていた飯塚さん(仮名・30代男性)は、仕事ぶりも人柄も申し分ない派遣アシスタントさんに恵まれました。けれど、少しずつ気になることが……。大きなトラブルがないからこそ、後味の悪さだけが残った話です。

期待されていた派遣アシスタント

営業担当として数字や納期に追われる中、派遣されてきたのが、吉川さん(仮名・20代女性)です。事務補助という立場ながら、業務の要を静かに握る重要なポジションでした。

きれいめワンピースに巻き髪、ネイルも完璧ないわゆるキラキラ美人タイプ。話すととても明るく、第一印象は職場のメンバーからも良好。仕事も当初はそつなくこなし、部署全体が「良い派遣さんが来てくれた」と安心していました。

小さな違和感の積み重ね

しかし、少しずつ違和感が重なるようになります。最初に気になったのは昼休憩の取り方でした。規定は1時間ですが、吉川さんは毎日必ず7〜8分オーバーして戻ってきます。大きく遅刻するわけではないため、誰も注意できず、小さなモヤモヤだけが残ります。

凍りついた職場の空気

さらに皆を驚かせたのは、なんと彼女は勤務時間中、仕事をそこそこに小説を執筆していたのです。社内共有フォルダに誤って保存されていた恋愛小説がその証拠で、1か月に3本という異様な執筆ペースがすべてを物語っていました。

また、月末に銀行の窓口で手続きする業務では、徒歩10分の距離にもかかわらず毎回2時間近く戻らず、帰社時には両腕に大量のアパレルショップの紙袋。その瞬間、職場の空気が凍りついたことを、飯塚さんは今でも忘れられないそうです。

残ったのは後味の悪さだけ

本人は悪びれる様子もなく、言動を改めることもありませんでした。「注意されていない=問題ない」という態度を最後まで崩さず、契約は更新されないまま満了となりました。

大きなトラブルは起きなかったものの、後味の悪さだけが残りました。今ごろ彼女は、どこか別の場所で小説を書いているのかもしれません。それが仕事中でなければ、誰にも迷惑はかからないのですが。

【体験者:30代・男性会社員、回答時期:2020年9月】

※本記事は、執筆ライターが取材又は体験した実話です。取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。

EPライター:Ryoko.K
大学卒業後、保険会社で営業関係に勤務。その後は、エンタメ業界での就業を経て現在はライターとして活動。保険業界で多くの人と出会った経験、エンタメ業界で触れたユニークな経験などを起点に、現在も当時の人脈からの取材を行いながら職場での人間関係をテーマにコラムを執筆中。