有名トンカツ店のオープン
「有名なトンカツ屋さんが県内にオープンする」という話を聞きました。トンカツは夫(30代)の大好物。本人たっての希望で、家族みんなで食べに行く計画を立てました。
お店の場所は自宅からやや遠く、電車とバスを乗り継ぐ必要があります。普段の移動手段はほぼ車。そんな我が家にとっては、電車とバスを使うだけでもちょっとしたイベントです。
お出かけ予定に、息子・ちあき(仮名・4歳)は大はしゃぎ。自分のリュックサックにお菓子やおもちゃを詰め込み、ゴキゲンで出発しました。
電車内でのひとコマ
電車に乗り込み、目的地への到着時刻はおよそ30分後。ガタゴトと揺られながら、しばしのんびりタイムです。そんな時、近くに座っていた年配の女性(60代)が息子に声をかけてきました。
「こんにちは。かっこいいリュックだね~!」女性は息子が楽しそうにしている様子を見て、話しかけてくれたようでした。「ぼく、ゴキゲンさんねえ。これからどこに行くの?」そんな女性の何気ない質問に、息子はまさかの一言を返したのです。
言い間違い事故
「ぼくね、これから『カツアゲ』にいくの!」……固まる私、眉をひそめる年配女性。そして思わずこちらに振り向く乗客たち。息子のよどみない、かつしっかりと発せられたその言葉は、電車内の空気を一瞬凍らせました。
「違う違う! 『カツアゲ』じゃなくて『トンカツ』だから!」慌てて私は息子につっこみ、言い間違いを訂正。
息子は「カツアゲ」の本当の意味など知りません。ただ、「トンカツ」の音を少し間違えて覚えていたようです。4歳児の純粋さと、刺激強めな単語のギャップが激しく、凍っていた車内の空気はすぐさま笑いに変わりました。
音で覚えた言葉が生む、誤解
言葉を、意味より先に「音」で覚える子どもらしいヒヤリ体験でした。なお、我が家に前科がつくこともなく、目的のトンカツはとても美味しかったです。
【体験者:30代・主婦、回答時期:2023年9月】
※本記事は、執筆ライターが取材又は体験した実話です。取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。
EPライター:S.Takechi
調剤薬局に10年以上勤務。また小売業での接客職も経験。それらを通じて、多くの人の喜怒哀楽に触れ、そのコラム執筆からライター活動をスタート。現在は、様々な市井の人にインタビューし、情報を収集。リアルな実体験をもとにしたコラムを執筆中。