私の友人は昔から幽霊や不思議なものを嫌うタイプ。ホラー映画もオカルト番組も全く信じない。そんな彼女が“奇跡”を認めざるを得なくなったエピソードです。ある日、病院に来てと電話がかかってきて……

初めての彼氏

私は高校生と中学生の娘を持つ母です。中1になった次女はバス通学を始め、やがて初めての彼氏ができました。といっても一緒に下校したりLINEをする程度の健全な仲。

ある日次女が「彼氏の家に行ってもいい? 親もいるって」と尋ねてきたのです。私は少し動揺しましたが、親同士で事前に確認がとれるならOKという条件付きで許可しました。

家デート当日

親同士の挨拶も済み、彼の部屋ではなくリビングで遊ぶという約束のもと、ついに家デートの日がやってきました。早起きし、身支度に一生懸命な次女。はやる気持ちを抑えきれず、約束の時間よりもかなり早いバスに乗り込みました。

しかしその日、入院していた私の祖父の容態が急変。母から「すぐ病院に来て」と連絡が入ったのです。娘たちは小さい頃からひいおじいちゃんが大好き。死に目に会えないなんて耐えられないと思い、急いで二人に連絡しました。

バス停

すると驚くべきことに、娘たちはすでに病院前のバス停にいたのです。次女は彼の家へ向かうため、彼の家の最寄りのバス停「〇〇病院前」で、彼の到着を待っていました。

そこへ別のバスの中で寝過ごした長女が、起きてすぐ降りたバス停が偶然にも「〇〇病院前」。鉢合わせた二人が「なんでここに?!」と驚いているところに、私から「ひいじいの病院行くよ!」とLINEが届いたのです。

奇跡のタイミング

結果、娘二人は私より先に病院へ到着し、祖父の最期を見守ることができました。もし家デートの日が違っていたら、もし長女が寝過ごさなかったら。姉妹はひいおじいちゃんにお別れを言えなかったかもしれません。偶然が重なり合い、奇跡のようなタイミングで最期の瞬間に立ち会えたのです。

小さな選択や予期せぬ出来事が、大切な人との最後の時間をつなぐこともある。寝過ごしたり、一見ミスしたと思えるようなことも、実は、失敗ではないのかもしれません。

【体験者:40代・女性会社員、回答時期:2026年1月】

※本記事は、執筆ライターが取材又は体験した実話です。取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。

EPライター:桜井ひなの
大学卒業後、金融機関に勤務した後は、結婚を機にアメリカに移住。ベビーシッター、ペットシッター、日本語講師、ワックス脱毛サロンなど主に接客領域で多用な仕事を経験。現地での出産・育児を経て現在は三児の母として育児に奮闘しながら、執筆活動を行う。海外での仕事、出産、育児の体験。様々な文化・価値観が交錯する米国での経験を糧に、今を生きる女性へのアドバイスとなる記事を執筆中。日本でもサロンに勤務しており、日々接客する中で情報リサーチ中。