にぎやかで平和な職場に新人登場
カフェでバイトしていた頃の実体験です。駅前にあるその店は、開店から閉店まで常に満席。主婦から大学生まで幅広い年齢層のスタッフがいて、忙しいながらも和気あいあいとした職場でした。
そこに入ってきたのが、主婦の山崎さん(仮名・30代女性)。挨拶をしたときの印象は明るく声も大きくハキハキとしたイメージ。接客に向いていそうなので、他のメンバー同様仲良くなれるといいなと思いました。
「習ってない」ことだらけ
ところが一緒に働き始めて、少しずつ違和感が出てきます。サンドイッチが焼き上がりオーブンが鳴っていたので、山崎さんに「オーブンからトングでサンドイッチを出してお皿に乗せてもらえますか」と声をかけると「え?! 私ですか?! 習ってないのでまだできないです!」と。
ケーキを冷蔵庫に入れてほしいと頼んでも「え?! それも習ってません!」。結果、その日は「習ってない」「やったことがない」のオンパレードでした。
優しさに甘え続けた結果
山崎さんは入店から2週間ほど経っていましたが、簡単な作業も断り続けます。他のスタッフも「まだ慣れてないし仕方ないか……」とフォローしていましたが、その優しさに甘え続けているようでした。大きなミスはないものの、じわじわと周囲の負担とストレスを増やしていきます。
最強のカウンターは高校生
ある日、ついに空気が動きました。山崎さんがいつものように「それ、まだ習ってないので」と言った瞬間、近くにいた高校生バイトの子が真顔で言います。「『習ってない』って言うけど、今まさに教えてるところなんですけど?」
その場が一瞬静まり返り、山崎さんはそれ以降、そのフレーズを使えなくなりました。大きなトラブルメーカーではなくても静かにみんなのメンタルを削っていた人が、年下から正当な反論を受けて反省したスカッとエピソードでした。
【体験者:30代・女性会社員、回答時期:2015年4月】
※本記事は、執筆ライターが取材又は体験した実話です。取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。
EPライター:Ryoko.K
大学卒業後、保険会社で営業関係に勤務。その後は、エンタメ業界での就業を経て現在はライターとして活動。保険業界で多くの人と出会った経験、エンタメ業界で触れたユニークな経験などを起点に、現在も当時の人脈からの取材を行いながら職場での人間関係をテーマにコラムを執筆中。