気楽に使っていたインスタグラム
私は、幼稚園で知り合ったママ友数名とインスタグラムで繋がっています。でも自分から積極的に投稿することはなく、たまにみんなの近況を知れたらいいな、という距離感で使っていました。毎日開くわけではなく、数日に一度まとめて見ることがほとんどです。
ママ友のひとり、沙織さん(仮名)は私とは逆で、かなり頻繁に投稿するタイプでした。子どもの様子や日常の出来事をこまめに更新している様子でした。
突然言われた「いいね」の話
ある日幼稚園へ子どもを迎えに行ったとき、沙織さんから突然「なんで私の投稿にいいねしてくれないの?」と、少し強い口調で言われました。予想していなかった言葉に驚きつつ、「忙しくて、たまたま見れてなかっただけだよ」と説明しました。
すると、「でも、他の人の投稿にはいいねしてたよね?」と言うのです。その時は、たまたまタイミングよく投稿を開いただけなのだと思います。でも、説明しても話は噛み合わず、その場は気まずい空気のまま終わりました。それ以来沙織さんとのやり取りには、どこか引っかかりが残るようになりました。
廊下に並んだ「おかあさんの絵」
そんなすれ違いがあってしばらく経ったある日、幼稚園の廊下に子どもたちが描いた「おかあさんの絵」が掲示されました。それぞれが、自分のママを自由に描いた作品です。
何気なく見て回っていると、沙織さんの子どもの絵に“スマホ”が描かれているのに気づきました。他の絵と比べても、そのスマホが妙に印象に残りました。私は少し前の沙織さんとの出来事がふと頭に浮かび、なんとなく腑に落ちる感覚がありました。
自分なりの距離感を大切にする
SNSの使い方は本当に人それぞれで、正解があるものではないと思います。沙織さんは沙織さんなりの距離感で、インスタグラムを大切にしているのだろうとも感じました。
一方で、私は家族との時間を軸にしたいと思っています。誰かに言われたからといって、無理に使い方を変えるつもりはありません。これまで通り自分にとっての程よい距離感で、SNSとも、周りの人とも付き合っていこう。廊下に並んだあの絵を見て、そんなふうに思いました。
【体験者:30代・主婦、回答時期:2025年7月】
※本記事は、執筆ライターが取材又は体験した実話です。取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。
EPライター:辻 ゆき乃
調剤薬局の管理栄養士として5年間勤務。その経験で出会ったお客や身の回りの女性から得たリアルなエピソードの執筆を得意とする。特に女性のライフステージの変化、接客業に従事する人たちの思いを綴るコラムを中心に活動中。