休日の遊び場で過ごす時間
私は休日、3歳の娘を連れて、ショッピングモール内にある子ども向けの遊び場を利用していました。同じくらいの年齢の子どもとママが何組か集まっていて、自然と遊具やおもちゃを共有する形になります。娘も目についたおもちゃに興味を示し、周りの子たちと同じように遊び始めました。
私も近くで見守りながら、娘がぶつからないように気をつけたり、順番を待つ場面では声をかけたりしていました。特別なことはなく、よくある休日の光景だったと思います。
気になった親子の様子
その中に、ひとり気になる親子がいました。娘と同年代くらいの男の子と、そのママです。ママは少し離れたベンチに座り、スマホを触っていて、遊んでいる息子の様子をあまり見ていないようでした。
男の子は、他の子が使っているおもちゃに割り込んだり、突然おもちゃを取ったりすることがありました。取られた子が戸惑っていても、そのママはちらっと見るだけで特に声をかける様子はありません。私は内心モヤモヤしながらも、知らない相手にどう声をかければいいのか分からず、娘をうまく誘導しながら遊ばせるので精一杯でした。
小学生の女の子がかけたひとこと
そんなとき、小学校低学年くらいの女の子が遊び場に入ってきました。状況を一通り見渡したあと、その子は男の子に向かって「順番だよ。今はこの子が使ってるよ」「一緒に遊ぼう!」と、やわらかい声で話しかけました。
女の子は自然に小さい子たちの間に入り、遊びの流れを作っていきました。おもちゃを取られて戸惑っていた子も、安心した様子で遊びを再開しています。その場面を見て、さっきまでスマホを触っていたママは少し気まずそうな表情をしていました。
子どもの言葉で変わる空気
大人が口を出さなくても、子どものひとことで空気が変わることもあるのだと、そのとき感じました。自然に遊びの輪を広げていった女の子の姿が、とても印象に残っています。私は娘のそばでその様子を見ながら、内心で拍手を送りました。誰かを責めるでもなく、場を和ませながら状況を変えてくれた小学生の女の子に感謝した出来事でした。
【体験者:30代・主婦、回答時期:2025年11月】
※本記事は、執筆ライターが取材又は体験した実話です。取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。
EPライター:辻 ゆき乃
調剤薬局の管理栄養士として5年間勤務。その経験で出会ったお客や身の回りの女性から得たリアルなエピソードの執筆を得意とする。特に女性のライフステージの変化、接客業に従事する人たちの思いを綴るコラムを中心に活動中。