ママ友とは不思議な関係だなと思うことがあります。子供の年齢が同じというだけのきっかけで出会った、年代も育った環境も違うママ達が交流を始めるのですから。様々な年齢だからこそ、トラブルが起こることは不可避なのでしょうか、それとも……

独特な口癖

私の息子の幼稚園にはママ友グループがあり、その中にBという女性がいます。Bの口癖は「私、高齢出産だから~」。行事の役員やボランティア活動など、面倒なことはすべて「私高齢出産だから。若いママ達でお願いします」と丸投げ。先生に注意されても「私の時代とは勝手が違うから……」とかわし、非を認めることは決してありませんでした。

指揮者になりたい

ある日、幼稚園で鼓笛隊の役割発表がありました。Bの息子は指揮者を希望しましたが、結果はカスタネット。これに怒ったBは「指揮者がたった一人なんてありえない! 今の時代、主役(指揮者)は最低でも4~5人は必要に決まってる!」とママ友グループで愚痴をこぼし出します。

すると一人のママ友が「指揮者がたくさんいたら、どの人を見ればいいか分からないでしょ(笑)」と返し、周囲も賛同しました。

予想外の告白

追い詰められたBは「あなた若いんだから先生に抗議してきてよ!」とママ友Cに無茶な要求をしました。ところがCは「実は私も高齢出産で、今〇〇歳なんです」と告白。グループ内で若く見えるCが実はグループで最年長だったのです。Bを含めその場にいた全員が驚き目を丸くしました。

さらにCは「私の時代も指揮者は一人だったなあ。そんなことより役員決めを進めませんか? 立候補がいなければ私がやりますよ!」と場を仕切り直してくれたのです。

言い訳に終止符

その場を無言で立ち去ろうとしたBに、「Bさん、私に比べたらまだまだお若いですよ! 役員、やりませんか?」と笑顔で声をかけるC。何も反論が思いつかないBは結果、初めて役員を引き受けることに。

以来、Bは「高齢出産だから」という言い訳を口にしなくなりました。今では園の行事に目覚めたBは役員やボランティア活動など精力的に参加するように。Bに限らず、面倒なことや言い訳を手放した瞬間、人は新しい一歩を踏み出せるのだと、改めて実感しました。

【体験者:40代・女性会社員、回答時期:2026年1月】

※本記事は、執筆ライターが取材又は体験した実話です。取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。

EPライター:桜井ひなの
大学卒業後、金融機関に勤務した後は、結婚を機にアメリカに移住。ベビーシッター、ペットシッター、日本語講師、ワックス脱毛サロンなど主に接客領域で多用な仕事を経験。現地での出産・育児を経て現在は三児の母として育児に奮闘しながら、執筆活動を行う。海外での仕事、出産、育児の体験。様々な文化・価値観が交錯する米国での経験を糧に、今を生きる女性へのアドバイスとなる記事を執筆中。日本でもサロンに勤務しており、日々接客する中で情報リサーチ中