はるなさん(仮名・30代女性)は、仲良しだったママ友グループのメンバーに少しずつ違和感を感じるようになっていきます。きっかけは「善意」と「こだわり」。悪気はなくても、価値観のズレは思わぬところに影を落とします。

居心地のよいママ友関係

私には仲良くしているママ友グループがありました。子ども同士が同い年で、ママたちも年齢が近く、自然体で話せる居心地のよい関係性でした。

その中の一人、あいさん(仮名・30代女性)は食へのこだわりが強く、料理が得意なママでした。集まりのたびに手作りのお菓子を持ってきてくれ、最初のうちはみんな素直に喜んでいました。

少しずつ広がる違和感

しかし次第に、そのこだわりの強さが周囲を戸惑わせるようになります。ある日、お昼ご飯を持ち寄った際、パン屋やコンビニで買ったサンドイッチを持参したママを見て、あいさんは「コンビニのパンなんて食べさせてるの?! 可哀想……」と驚いた様子で言いました。

あいさんはパンも必ず手作りで、添加物のある食品は絶対に与えない主義。悪気はなさそうですが、自分の正解を疑わない姿勢が目立ち始めていました。

価値観の押しつけ

別の日に、みんなで「おうち縁日」を開く計画をしていた時のこと。スーパーボールすくいや輪投げ、駄菓子コーナーなどの子どもたちが喜べるものを用意する予定でしたが、開催2日前にあいさんから連絡が入ります。

「駄菓子を食べさせるのは絶対に嫌。お菓子は各自手作りで持ち寄ろう」という提案でした。話し合いの結果、他のメンバーは駄菓子、あいさんは手作りという形で折り合いをつけることになります。

残った小さな疑問

当日、誰よりも駄菓子に目を輝かせていたのは、あいさんの娘さんでした。あいさんが席を外した隙に、駄菓子を服のポケットに隠す姿を見て、他のメンバーたちは複雑な気持ちになります。

あいさんのこだわりは、娘さん自身の気持ちと本当に噛み合っているのだろうか。価値観の押しつけは、家庭内であっても決して安全ではないと感じさせる出来事でした。

【体験者:30代・主婦、回答時期:2022年4月】

※本記事は、執筆ライターが取材又は体験した実話です。取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。

EPライター:Ryoko.K
大学卒業後、保険会社で営業関係に勤務。その後は、エンタメ業界での就業を経て現在はライターとして活動。保険業界で多くの人と出会った経験、エンタメ業界で触れたユニークな経験などを起点に、現在も当時の人脈からの取材を行いながら職場での人間関係をテーマにコラムを執筆中。