友人けいちゃん(仮名・30代女性)の職場にいた、少し距離感のズレた同僚の言動が周囲に違和感を与えていたエピソードです。一見すると完璧に見える人でも、無自覚な一言が場の空気を一変させることがあります。「悪気がない」では済まされない瞬間を描いた出来事です。

距離感に違和感のある同僚

私の職場には、少し距離感のおかしい同僚・吉岡さん(仮名・30代女性)がいました。吉岡さんは一流大学卒で大手企業に新卒入社し、仕事もそつなくこなすタイプ。さらには誰もが認める美人で、「若い頃はいろいろあって」が口癖でした。夫や子どもとの家庭生活も順調そうで、傍から見れば何不自由ない生活を送っているように感じました。

既婚者なのに? 行き過ぎた恋バナ好き

ただひとつ、周囲が違和感を覚えていたのが、吉岡さんの“恋バナ好き”な一面。顔を合わせるたびに「今まで彼氏何人いたの?」「元カレはどこの会社?」「昔付き合ってた人の写真ない?」と、同僚たちの過去の恋愛遍歴を根掘り葉掘り聞いてきます。

トイレや廊下など、二人きりになった瞬間にその話題になるため、次第に「二人きりになるのは避けたい」と距離を取る人も増えていきました。

凍りついた職場の空気

決定的だったのは、ある日の雑談中のこと。場の空気を読まず、吉岡さんは上司に向かって「奥様よりも、若くてかわいい女子社員のほうがよくないですか?」と真顔で聞き、一瞬で場が凍りつきました。

上司は「それは失礼だ。職場で話す内容ではない」と、感情的になることもなく、その場の空気を引き締めるようにきっぱりと注意しました。

越えてはいけない一線

注意された吉岡さんは目を丸くしていましたが、その日を境に、他人の恋愛や過去を詮索するような発言はぴたりと止まりました。誰も声に出していなかった違和感がようやく言葉にされ、空気が正された瞬間だったのだと思います。

悪気がなくても許されないことはあります。越えてはいけない一線は、誰かがきちんと引かなければならないのだと実感した出来事でした。

【体験者:30代・女性主婦、回答時期:2017年4月】

※本記事は、執筆ライターが取材又は体験した実話です。取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。

EPライター:Ryoko.K
大学卒業後、保険会社で営業関係に勤務。その後は、エンタメ業界での就業を経て現在はライターとして活動。保険業界で多くの人と出会った経験、エンタメ業界で触れたユニークな経験などを起点に、現在も当時の人脈からの取材を行いながら職場での人間関係をテーマにコラムを執筆中。