結婚すると、育った環境や家族ごとの価値観の違いに驚く場面が増えるものです。これは、友人・ゆみこちゃん(仮名)が結婚後、義実家で迎えたお正月に感じた戸惑いと、そこからたどり着いた「自分なりの向き合い方」のお話です。

想定外だらけの、はじめてのお正月

私、ゆみこは、結婚を機に夫の地元へ引っ越しました。実家が遠方なこともあり、自然と夫の実家との付き合いが中心に。結婚当初、義母は穏やかで優しい印象でした。

そんな中迎えた、結婚後初めてのお正月。夫の実家で過ごすことになり、手土産を持って挨拶へ向かいました。ところが到着すると見知らぬ車が数台。夫はあっけらかんと「おじさんとおばさんも来てるみたい」と一言。事前に聞いていなかったため、用意した手土産は義両親の分だけ。私はかなり焦りました。

座る間もなく始まった「お正月の役割」

挨拶を済ませると、やはり義母からお土産について指摘され、謝るしかない状況に。さらに夫はいつの間にかお酒を飲み始めており、帰りの運転は自分なのだと知ってまたびっくり。慣れない運転への不安も重なり、心は落ち着きませんでした。

そんな中、キッチンから義母に呼ばれます。そこで告げられたのは、「嫁に来たのだから、お正月は色々覚えることがある」という言葉。初めて聞く義実家のやり方に戸惑いながらも、言われるがまま手伝うことになりました。

気づけば「毎年の定番」になっていた光景

その年は結局、ほとんど座ることなく一日が終了。そしてそれは一度きりではなく、翌年以降も同じ流れが続きました。今では、私が到着すると義母はキッチンを離れ、料理の準備から配膳、お酒の用意、買い出しまで自然とすべてを担当するように。

最初は違和感しかなかったものの、「ここではこういう流れなんだ」と割り切るようになりました。

忙しいフリをしながら、ちゃっかり自分時間

そんな私にも、密かな楽しみができました。キッチンで忙しそうに動きながら、実は刺身やおせちの美味しいところを少しずつ自分用に確保。義母や親戚はキッチンに来ないため、誰にも気づかれません。

キッチンで忙しそうにしていれば面倒な酔っ払いの相手をすることもなく済むので、静かな空間でご馳走を味わう時間は今ではすっかり恒例に。なんやかんや、毎年のお正月を楽しみにしている自分を「たくましくなったなぁ〜」と感慨深く思います。

【体験者:30代・女性会社員、回答時期:2015年12月】

※本記事は、執筆ライターが取材又は体験した実話です。取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。

EPライター:Mio.T
ファッション専攻の後、アパレル接客の道へ。接客指導やメンターも行っていたアパレル時代の経験を、今度は同じように悩む誰かに届けたいとライターに転身。現在は育児と仕事を両立しながら、長年ファッション業界にいた自身のストーリーや、同年代の同業者、仕事と家庭の両立に頑張るママにインタビューしたエピソードを執筆する。