何気なく話した夢が、思わぬ評価対象に
私は、息子と夫と3人暮らしの主婦。昔からカフェでアルバイトをしていたこともあり、料理の腕前は「お店みたい」とよく褒められていました。そんな私の夢は、いつか自分のカフェを開くこと。
ある日、子どもが同級生の保護者・須藤さん(仮名)と話す流れで、「将来、カフェをやれたらいいなと思っていて」と軽く話しました。須藤さんはヨガ講師で、見た目もライフスタイルもキラキラした印象の人。
須藤さんはその話を聞くなり、「素敵! 夢がある人って大好き!」と大興奮。SNSを教えて欲しいと言われ、お互いにフォローし合うことになりました。
パート報告に届いた、まさかのDM
しばらくして、子どもが小学校に上がったタイミングで私はパートを始めることにしました。選んだのは、家から近くて通いやすい一般事務の仕事。無理なく働けることを優先した選択でした。
そのことをSNSで軽く報告すると、ほどなくして須藤さんからDMが届きます。何気なく開いたその内容に、私は言葉を失いました。
「がっかりしました」
DMには、「正直、ゆかちゃんにはがっかりしました」「カフェをやりたいって言ってたから応援してたのに」「なんで普通の事務なの? もっとクリエイティブなことをやらないと」と書かれていたのです。
私はDMの内容にびっくり。カフェを開きたいという気持ちは本気でしたが、一般事務に勤めたからといって夢を諦めたわけでもないし、ましてや今すぐ開業すると言ったわけでもありません。子どもが小さい今は、将来に向けて準備をする時期。そう説明しようと一瞬思いましたが、「そもそも、なんで須藤さんに説明しなきゃいけないんだろう」と、ふと冷静になりました。
言い返さず、絵文字だけで終了
考えた末、私は長文を打ってまで須藤さんに説明をするのをやめました。代わりに、サムズアップ(親指を立てる「いいね」のジェスチャー)の絵文字をひとつ押し、そのままSNSを閉じたのです。
相手の理想や価値観に、無理に合わせる必要はない。今の自分と家族に合った選択をすることが、何より大切。そして何より、夢は誰かに評価されるためのものではありません。そう強く思った出来事でした。
【体験者:30代・女性会社員、回答時期:2018年9月】
※本記事は、執筆ライターが取材又は体験した実話です。取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。
EPライター:Mio.T
ファッション専攻の後、アパレル接客の道へ。接客指導やメンターも行っていたアパレル時代の経験を、今度は同じように悩む誰かに届けたいとライターに転身。現在は育児と仕事を両立しながら、長年ファッション業界にいた自身のストーリーや、同年代の同業者、仕事と家庭の両立に頑張るママにインタビューしたエピソードを執筆する。