結婚して初めて迎える年末、挨拶のために義実家を訪れた日。何気なく交わされた会話が、思っていたよりも心に残りました。相手に悪気はなかったのかもしれません。けれど、どう返せばよいのか分からない“距離の近さ”に、初めて戸惑いを感じた出来事です。

楽しい気持ちで義実家へ

結婚して初めて迎える年末、12月中旬。私は夫と義父母の家へ遊びに行きました。ちょうど私も夫も、年末のボーナスが出たばかり。「少し贅沢しようね」とふたりで喜び合いながら、その余韻を楽しんでいました。

義父母にボーナス額を話すつもりはなく、あくまで普通に年末の挨拶ができれば……と気楽に考えていました。

玄関の第一声に、思わず戸惑ってしまった

玄関で挨拶した直後でした。義父が開口一番、「で? 〇〇くん(夫)のボーナス、いくらだった?」と当然のように尋ねてきました。夫が答えに詰まると、今度は私の方を向き、「あなたのボーナスはいくら?」と同じテンションで聞いてきたのです。

義父は悪意があるというより、“ただのコミュニケーションの一部”として聞いているのかもしれません。でも私には突然すぎて、どう受け止めればいいのか分かりませんでした。

苦笑いでごまかすと、義父は少し笑いながら、「言えないってことは、たいした額じゃないんだな」とさらっと言いいました。義母が小さな声で「もうその話はいいじゃないの……」と止めようとするも、義父は気づいていない様子で会話を続けました。

私は“普段ない距離感で踏み込んでくる義父の質問”に、ただ対応に困ってしまいました。

質問は止まらず、さらに悩んだ返答

義父の質問攻めは止まらず、結局、仕方なくざっくりと金額を答えることに。すると義父はニヤッと笑い、「そんなにいい会社なのか。よくそんな会社に入れたな」と意外なリアクションをしたのです。

悪気というより、“素直な感想を言っているだけ”そんな雰囲気ではあったけれど、私はどう返せばいいか言葉に詰まりました。

さらに義父は突然、「お金っていうのはね、使わないと入ってこないんだよ! せっかくボーナスもらったなら、しっかり使いなさい!」と、持論のようなアドバイスを語り始めました。義父が自営業でボーナスがないことを思い出し、「これは……どう受け止めればいいんだろう?」と複雑な気持ちに。

夫のひと言に救われた夜。あなたならどうしますか?

帰り道、私は夫に「もう義父にボーナスの話はしたくない」とはっきり伝えました。夫も義父の空気の読めない質問に気づいていたようで、「これからは聞かれても答えない。俺が止める」ときっぱり約束してくれました。

それ以来、私は年末の挨拶に行くときだけ、ちょっと良いお菓子を手土産にして、「ボーナス、たくさん出たので!」と明るく言うようになりました。義父は苦笑いするだけで、何も言ってこなくなりました。

――あなたなら、こんな“距離のつかめない質問”をされてしまったとき、どうしますか?

【体験者:30代・女性会社員、回答時期:2019年12月】

※本記事は、執筆ライターが取材又は体験した実話です。取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。

EPライター:北山 奈緒
企業で経理・総務として勤務。育休をきっかけに、女性のライフステージと社会生活のバランスに興味関心を持ち、ライター活動を開始。スポーツ、育児、ライフスタイルが得意テーマ。