私の実体験です。新卒で入社したのはいわゆる「大企業」。そこで学歴を振りかざしてマウントを取る先輩に振り回される日々。ところが、先輩の態度が思わぬ場面で裏目に出て、本人が痛い目を見ることに……?

学歴マウントが日常化する職場

新卒で入社した大企業で、同期や先輩の中には「いい大学」を出ていることを強く誇りにしている人がいました。特に直属の先輩は自分の学歴を鼻にかけ、雑談をするたびに学歴の上下で人を評価。

自分の出身大学より下と見なした大学については「行く意味ないよな~」「あんまり下のレベルの大学に行くなら学費の無駄だよな」などと、平気で見下すようなことを言い放ちます。様々な学歴の人が集まる中でそんな発言をするため、部署内には気まずい空気が流れていました。

取引先で露呈した無神経さ

ある日、先輩と取引先に同行した際、先輩はいつもの調子で「〇〇大学? 偏差値低いっすよね~」と笑いながら言ってしまいます。その瞬間、場の空気が一気に凍りました。

なんと取引先の社長がその〇〇大学の卒業生。「君、そういう言い方は失礼だ」と険しい表情でピシャリ。先輩はみるみる青ざめ、打ち合わせ全体が重い雰囲気に包まれました。

社内で下された厳重注意

翌日、先輩は上司に呼び出され、学歴を盾にした見下し発言が取引先との信頼を壊すと厳しく叱責されました。「二度とやるな」と念を押され、先輩は言葉を失ったまま上司の前で黙り込んでいました。

普段あれほど強気だった先輩が見る影もなく黙り込むのを目にして、私は軽い衝撃を受けました。

学歴マウントの終焉

この出来事を境に、先輩は学歴マウントを完全に封印しました。社内でも社外でも発言が慎重になり、以前の高圧的な態度は嘘のように影を潜めます。私はその変化を目の当たりにし、静かにスカッとした気持ちを覚えました。

【体験者:20代・女性会社員、回答時期:2020年10月】

※本記事は、執筆ライターが取材又は体験した実話です。取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。

EPライター:Ryoko.K
大学卒業後、保険会社で営業関係に勤務。その後は、エンタメ業界での就業を経て現在はライターとして活動。保険業界で多くの人と出会った経験、エンタメ業界で触れたユニークな経験などを起点に、現在も当時の人脈からの取材を行いながら職場での人間関係をテーマにコラムを執筆中。