無痛分娩を選んだ私の決意
私は、妊娠中から無痛分娩を選ぶと決めていました。実際に体験した友人に話を聞いたり、自分でもメリット・デメリットをしっかり調べたりして、「私にはこれが一番合っている」と確信していました。夫も全面的に賛成してくれていて、心強く感じていました。
衝撃の発言
その話を聞いた会社の宮原さん(50代男性)が「え、無痛? 産む苦しみを経験しないと良い親になれないんじゃないの? みんな経験してる痛みなんだし、麻酔なんてしてないでさ~」と発言。価値観を押し付けるような言葉に、場の空気が一瞬ピリつきました。
私が何も言えずにいると、同僚の女性が口を開きます。「え!? 歯医者で親知らず抜くときですら麻酔使うのが普通なのに? 宮原さんは歯医者さんで麻酔しないんですか?」と笑って切り返してくれたのです。
さらに飛び込む援護の声
男性の先輩も「実際に苦しい思いをして出産するのは女性ですから、『麻酔を使うな』なんて産まない僕たちが言っちゃだめですよ」と加勢してくれました。
さらに、別のパートの女性が「宮原さんは痛みを経験せずにいるんだから、3人子どもがいるけどまだ良い親になれてないんだね。上のお子さん20歳なのに」冗談交じりなツッコミだけれど、宮原さんは完全に言葉を失っていました。
反省した瞬間
宮原さんは「そうか……ひどいことを言って申し訳ない」と謝ってくれました。自分の発言を反省してくれたようで、その場の空気も穏やかに戻っていきました。
この一件で、出産に限らず個々の選択を尊重する関係性がどれほど大事か改めて実感しました。改めて、私も相手の選択に対する言葉に気をつけたいと身にしみた出来事でした。
【体験者:30代・女性会社員、回答時期:2024年8月】
※本記事は、執筆ライターが取材又は体験した実話です。取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。
EPライター:Ryoko.K
大学卒業後、保険会社で営業関係に勤務。その後は、エンタメ業界での就業を経て現在はライターとして活動。保険業界で多くの人と出会った経験、エンタメ業界で触れたユニークな経験などを起点に、現在も当時の人脈からの取材を行いながら職場での人間関係をテーマにコラムを執筆中。