サンタクロースの存在を信じていたのは何歳まででしょうか? 私自身は小学校の高学年くらいだと記憶しています。そんな私ですが、この話を友人から聞いた時に、サンタクロースは実在するのかもと思いました。そのエピソードをご紹介します。
引っ越し
私はある年、夫の浮気によって離婚しました。財産分与では家を放棄すると言いながら、結局元夫はその家に住み続け、私と息子二人は狭いアパートへ移ることになったのです。保育園も変わり、仲良しのお友達とも別れることになり、息子たちに申し訳ない気持ちで胸がいっぱいでした。
初めてのクリスマスイブ
離婚して初めてのクリスマスイブ、私は久しぶりに部屋を大掃除し、装飾。予約しておいたケーキとチキンを息子たちと囲みます。我が子の笑顔とおいしいごはん。それだけで私は心の底から満たされました。少しだけ口にしたクリスマス用のお酒は度数が低いものでしたが、疲れ切った体には十分で、私はそのまま眠り込んでしまったのです。
寝落ちしたクリスマス
息子たちの「サンタさんは?」という声で目覚めたクリスマスの朝。買ってあったプレゼントを置き忘れたことに気づき、私は顔面蒼白。そんな時、子供たちが玄関を開けると「ママ! プレゼント外にあった!」と言うのです。
外を見ると大きな包みが二つ置かれていました。中身は私が用意していたものと同じ自転車と三輪車。もしかして元旦那から? プレゼントが被るなんて最悪! それよりもっと最悪なのは寝落ちした自分だ、と色んな感情で涙が溢れました。
するとそこに大家さん夫婦が現れ、「サンタさんからママに預かっているものがある」と包みを手渡してくれたのです。
本物のサンタクロース
包みの中には新品の大人用のヘルメットと手紙が。実は私は、隠し場所に困っていた自転車を大家さんの物置に置かせてもらっていたのです。手紙には、取りに来ないのを心配して大家さん夫婦がラッピングまでして玄関前に置いてくれたこと、そして毎日ヘルメットなしで自転車に乗る私を案じてヘルメットを贈ってくれたことが書かれていました。
私はその瞬間、大人になって初めて「サンタクロースは本当にいる」と思えたのです。それ以来「サンタさんて本当にいるの?」という息子たちからの問いに、心の底から「いるよ」と答えている私です。サンタクロースは異国の地の白ひげのおじいさんではなく、実は身近にいるのかもしれません。
【体験者:30代・女性会社員、回答時期:2025年11月】
※本記事は、執筆ライターが取材又は体験した実話です。取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。
EPライター:桜井ひなの
大学卒業後、金融機関に勤務した後は、結婚を機にアメリカに移住。ベビーシッター、ペットシッター、日本語講師、ワックス脱毛サロンなど主に接客領域で多用な仕事を経験。現地での出産・育児を経て現在は三児の母として育児に奮闘しながら、執筆活動を行う。海外での仕事、出産、育児の体験。様々な文化・価値観が交錯する米国での経験を糧に、今を生きる女性へのアドバイスとなる記事を執筆中。日本でもサロンに勤務しており、日々接客する中で情報リサーチ中。