当たり前だと思っていた実家の正月文化
私は結婚後、義実家でのお正月ルールをめぐってカルチャーショックを味わいました。私は元々大家族育ちで、毎年1月1日は親戚30人が実家に大集合するのが当たり前の世界で生きてきました。結婚後もその恒例行事に参加しており、義両親も長年それを了承してくれていました。
毎年「1月1日にご挨拶に伺えなくてすみません……」と相談すると、「そんなこと気にしなくていいのよ、いつでも来てね」と言われ、そこに何の問題もないと思っていたのです。
ある年に突然訪れた“ひっくり返り”
ところが、ある年に突然義母が「普通は旦那の家に1日に来るべきなのにおかしい!」と怒り出しました。毎年了承してきたはずなのに急に態度が変わり、私には戸惑いしかありませんでした。
その出来事を境に、義母は正月に関する全ての段取りを勝手に決めるように。日程から集合時間、料理の内容まで義母主導で固められ、私たち夫婦に相談が入る余地は一切なくなったのです。
配慮ゼロの準備と広がる違和感
ある年は義母が何の相談もなく高級おせちを購入しており、子どもたちが食べられるものがほぼゼロという悲劇。家族の嗜好や子どもの年齢など全く考慮されておらず、「誰のためのお正月なんだろう」と感じてしまいました。
義母の独自ルールは年々強まり、私の中で違和感はどんどん積み重なっていきました。
違いすぎる価値観に悟りを開く
そして極め付けは、義母が孫たちに渡した“お年玉”がまさかの手作りのぬいぐるみだったことです。子どもたちはぽかんとし、私は「まったく違う文化の外国に来たと思おう」と静かに悟りました。
それ以来、義実家の正月は私にとって“初めて知る文化の連続”で、毎年ひそかに胃が痛くなるイベントになってしまいました。結婚とは家と家の文化がぶつかるものだと、身をもって学んだ瞬間でした。
【体験者:30代・女性会社員、回答時期:2022年1月】
※本記事は、執筆ライターが取材又は体験した実話です。取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。
EPライター:Ryoko.K
大学卒業後、保険会社で営業関係に勤務。その後は、エンタメ業界での就業を経て現在はライターとして活動。保険業界で多くの人と出会った経験、エンタメ業界で触れたユニークな経験などを起点に、現在も当時の人脈からの取材を行いながら職場での人間関係をテーマにコラムを執筆中。