深夜、気づいた愛猫の異変
我が家では以前から、不思議な現象が絶えません。私も感じやすい体質なので、ちょっとした気配なら慣れてしまっていました。
その日も、深夜まで仕事を片付けてやっと一息ついたときのことです。愛猫のハナが、いつもと違う様子でこちらを見つめていました。目を細め、「カカカッ」とクラッキングを始めるハナ。視線の先は、私の左肩。その一点をまるで射抜くように凝視しています。
張り詰めた空気と肩の違和感
深夜特有の静けさに、ハナの警戒する姿が重なり、嫌な空気が漂っていました。仕事の疲れもあって私も敏感になっていたのか、じわじわと肩に“何か”がいるような感覚が強まっていきます。
「絶対に何かいる……」そう思いながら、心臓がバクバクするのを感じつつ、恐る恐る振り返りました。
叫ばずにはいられなかったもの
振り返った先に見えたものの姿に、思わず叫んでしまったのです。「ギャーー!!!」私の声に驚いた夫が寝室から飛び出してきて、「どうした? また何かいたの?」と私の肩の方を見た途端、夫も固まりました。そこにいたのはーー特大のカメムシ。
刺激していなかったので匂いは出ていませんでしたが、至近距離すぎ。田舎暮らしでカメムシには慣れているつもりでしたが、この距離はさすがに反則です。夫にお願いしてそっと取り除いてもらい、ようやく一息ついた私。
それでも別の何かを見ていた
ところが、カメムシを取り除いた後も、ハナは私の左肩をじっと見つめたまま。耳はピンと立ち、目は爛々として、まるでその先にまだ“何か”がいるかのよう。あの気配は、カメムシだけではなかったのかもしれません。ただ、正直なところ、あの瞬間の私にとっては幽霊よりカメムシの方がはるかに怖かった……。
深夜の肝が冷える出来事は、結局ちょっとした笑い話として家族の間で語り継がれることになりました。
【体験者:40代・女性パート、回答時期:2025年11月】
※本記事は、執筆ライターが取材又は体験した実話です。取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。
EPライター:hiroko.S
4人を育てるママライター。20年以上、接客業に従事。離婚→シングルマザーからの再婚を経験し、ステップファミリーを築く。その経験を生かして、女性の人生の力になりたいと、ライター活動を開始。現在は、同業者や同世代の女性などにインタビューし、リアルな声を日々収集。接客業にまつわる話・結婚離婚、恋愛、スピリチュアルをテーマにコラムを執筆中。