推し活が生きがい
私はアイドルの “推し”がいて、彼の存在が毎日のモチベーションになっています。休みを調整してライブやイベントに行くのが何よりの楽しみで、そのために仕事を頑張れるほど。交際中の彼も理解があり、「好きなことがあるのは良いことだね」と言ってくれるタイプです。
後輩の悪気ないひとことに、モヤっと
ある日、職場の休憩中に後輩から「近藤さんって、彼氏と結婚しないんですか?」と聞かれました。「今すぐには予定ないかな〜」と軽く答えると、後輩は笑いながら「推しにばっかり貢いでるから結婚できないんですよ〜!」とひとこと。
悪気がないのは分かっていましたが、正直心の中では少しモヤモヤしました。そういう偏見を向けられるのは初めてではなく、ネットでも“推し活=結婚できない人”のように言われているのを見かけることがあります。それでも、実際に面と向かって言われると、やっぱり少し寂しい気持ちになるものです。
思わぬフォローと共感
その場の空気が少し気まずくなってしまったとき、あまり話したことのない年配のパートさんが笑って言いました。「あら、私も推しがいるわよ。夫も“楽しそうでいいじゃないか”って言ってくれてるの〜」
その明るい声に場の空気が和らぎました。私は思わず「素敵ですね」と返し、そのパートさんの推し活の話を楽しく聞きました。実際に結婚していて、同時に推し活も楽しんでいる人の言葉はとても説得力があり、話を聞いている私まで嬉しくなったのを覚えています。
「私はこれが好き」と、胸を張って言える
“推し活”は確かにお金も時間もかかるけれど、私にとって、気持ちを前向きにしてくれる大切な楽しみです。好きなことに夢中になれる時間があるだけで、毎日が明るくなるのです。
だからこそ、本当は人それぞれのペースで楽しんでいいもの。あの日のパートさんの言葉は、まるで背中をそっと押してもらえたような優しさでした。もし周りになにか言われても、「私はこれが好きでいいんだ」とその日改めて思えた気がします。
【体験者:30代・女性会社員、回答時期:2025年7月】
※本記事は、執筆ライターが取材又は体験した実話です。取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。
EPライター:辻 ゆき乃
調剤薬局の管理栄養士として5年間勤務。その経験で出会ったお客や身の回りの女性から得たリアルなエピソードの執筆を得意とする。特に女性のライフステージの変化、接客業に従事する人たちの思いを綴るコラムを中心に活動中。