家事も育児も「母親の仕事」と思い込んでいる夫に、モヤモヤを抱えている女性は少なくないのではないでしょうか。友人のYちゃんも、まさにそんな「昔気質」の夫に日々悩まされていた一人です。しかし、ある日の晩ごはん中、思いもよらない出来事が!

手伝わない夫に募るイライラ

私の夫は、いわゆる亭主関白タイプ。「家事は女の仕事」「俺は外で働いているんだから」という古い考えの持ち主で、家事も育児も一切ノータッチでした。

私は仕事と家事・育児を両立しながら、毎日休む間もなく動き回っていましたが、夫はソファに座ってテレビを見たり、スマホをいじったり。何度か相談したこともありましたが、返ってくるのは倍の勢いでの反論ばかり。「言うだけ無駄かも」と、私は諦め気味でした。

「俺の箸は?」にため息

その日の夜も、私は慌ただしく夕食の準備をしていました。キッチンと食卓を何度も往復しながら料理を並べていく中、夫はいつも通り、どっしりと座ったまま動きません。

そして、慌ただしく動く私を見ながらぼそっと一言。「おい! 俺の箸は?」私は心の中で「またそれか……」とため息をつきながら、黙って箸を取りに行こうとしました。

娘のまさかのひと言

その瞬間、横でおとなしくしていた5歳の娘が、ふいに口を開きました。「ねぇ、パパはお箸の場所、知らないの?」私も夫も思わず固まります。しかし娘は続けました。「知ってるよね? この前ラーメン食べてたし。箸くらい自分で取りに行かないの?」

まっすぐな瞳で放たれた言葉に、リビングの空気が一瞬ピンと張りつめました。私は「やばい、キレるかも」とヒヤヒヤしながら旦那の様子をうかがいました。

喜びのガッツポーズ

ところが夫は何も言い返さず、静かに立ち上がりました。そして黙って自分の箸を取りに行ったのです。結局、自分の分だけしか持ってこなかったものの、その光景を見た私は、心の中で思わずガッツポーズ。

それ以来、娘の前では少しだけ自分のことをやるようになった夫。夫は娘に「できない人」と思われたくなかったのかもしれません(笑)。子供の一言って、本当にすごい威力だと感じた出来事でした。

【体験者:30代・女性会社員、回答時期:2020年10月】

※本記事は、執筆ライターが取材又は体験した実話です。取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。

EPライター:Mio.T
ファッション専攻の後、アパレル接客の道へ。接客指導やメンターも行っていたアパレル時代の経験を、今度は同じように悩む誰かに届けたいとライターに転身。現在は育児と仕事を両立しながら、長年ファッション業界にいた自身のストーリーや、同年代の同業者、仕事と家庭の両立に頑張るママにインタビューしたエピソードを執筆する。