穏やかなカフェタイムも、マナーの悪いお客さんがいると途端に台無しになってしまいます。今回は、カフェで働く筆者の友人・みさとさん(仮名)が遭遇した、迷惑なお客さんにまつわるエピソードをご紹介します。

静かなカフェを乱す、大音量トーク

ある日のランチタイム、初来店の女性2人組が席に着くや、にぎやかに会話をスタート。声の大きさはまるでカフェ全体を巻き込むスピーカーのようで、店中に響く甲高い笑い声に、周囲のお客さんも思わず目を丸くしていました。

他のお客さんからのSOS

数分も経たないうちに、カウンターにいた常連のお客さんが小声で「すみません、ちょっと注意してもらえませんか? あの人たち、声が大きすぎて……」

ほかにも数名のお客さんから同じような声が上がり、意を決して席へ向かいました。できるだけ柔らかいトーンで、「申し訳ありませんが、もう少しお声を控えていただけますか?」と伝えました。

逆ギレと凍りつく空気

しかしその一言に、女性客はムッとした表情で反論。「え? これが普通のトーンだよ!?」「なんで注意されなきゃいけないの!?」しまいには、「私たちの悪口でも言ってるの!?」と言い出し、店内の空気が一気に張りつめた状況に。静まり返ったカフェに、カップの当たる音だけが響いていました。

常連の一言でスカッと解決

その沈黙を破ったのは、すぐ隣に座っていた常連のお客さん。落ち着いた声で、けれど皮肉をきかせてこう言ったのです。「ちなみに、あなたの住まいが〇〇市って個人情報ダダ漏れですけど、大丈夫ですか? このご時世、気をつけた方がいいですよ」

その一言に、女性客の顔はみるみる真っ赤に染まりました。目は泳ぎ、口をパクパクさせるばかりで、言葉が出てきません。

その後、女性客は静かに過ごすようになり、店内は穏やかさを取り戻しました。常連さんの一言が場を救った、まさにスカッとする瞬間でした。

【体験者:30代・カフェスタッフ、回答時期:2025年10月】

※本記事は、執筆ライターが取材又は体験した実話です。取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。

EPライター:miki.N
医療事務として7年間勤務。患者さんに日々向き合う中で、今度は言葉で人々を元気づけたいと出版社に転職。悩んでいた時に、ある記事に救われたことをきっかけに、「誰かの心に響く文章を書きたい」とライターの道へ進む。専門分野は、インタビューや旅、食、ファッション。