これは、私が職場で経験した“血液型トーク”にまつわる出来事です。イメージだけで性格を決めつけられるのは、根拠がないとわかっていてもやっぱり傷つくもの。そんな中で、思いがけず救われたエピソードを紹介します。

「B型だから」で片づけられる日々

私はB型。昔から「自己中」「マイペース」と言われ続け、自分の血液型に少しコンプレックスがありました。職場でも血液型の話になるたびに冗談半分でいじられることが多く、あまり良い気はしませんでした。

特に同じ部署の先輩は占いや風水が大好きで、何かあるたびに「B型だから仕方ないよね」と笑いながら言ってくるタイプ。ちょっとしたミスや気分のムラさえ、「やっぱりB型って気分屋だよね」と言われ、正直うんざりしていました。

冷たい空気に変わった瞬間

ある日の昼休み、いつものように雑談中にその先輩が言いました。「B型の女ってほんと気分の上下激しいよね〜」と。私は笑ってごまかそうとしましたが、胸の奥がズキッと痛みました。その瞬間、近くにいた同僚たちも静まり返り、気まずい空気に包まれました。

救ってくれた年上の女性社員

そのとき、少し離れた席にいた年上の女性社員がゆっくり立ち上がり、落ち着いた声でこう言ったのです。「ねえ、あなた、それ誰に向かって言ってるの? 私もBだけど」一瞬、空気が凍りつきました。

先輩は顔を引きつらせながら「いや、そういう意味じゃなくて……」と小声でごまかすしかなく、私は黙って見守るしかありませんでした。けれどあの瞬間、胸の奥がスッと軽くなったのを覚えています。

強く、優しい人でいたい

その日を境に、先輩の“血液型トーク”は聞かなくなりました。何も言えなかった私の代わりに声を上げてくれた年上の女性社員。強い味方ができたようで、心の底からほっとしました。

決めつけの言葉は人を傷つける。でも、寄り添う言葉は人を救う。これからは私も、誰かを守れるような“強く優しい人”でありたい。そう心から思えた出来事でした。楽しい血液型トークなら大歓迎です!

【体験者:30代・女性会社員、回答時期:2023年9月】

※本記事は、執筆ライターが取材又は体験した実話です。取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。

EPライター:北山 奈緒
企業で経理・総務として勤務。育休をきっかけに、女性のライフステージと社会生活のバランスに興味関心を持ち、ライター活動を開始。スポーツ、育児、ライフスタイルが得意テーマ。