リモートワークが定着した昨今ですが、「家にいる=余裕がある」なんてとんでもない。在宅ワークのママたちは、仕事と家事と子育てで一日中フル回転。今回は「娘に寂しい思いをさせていないか」不安がよぎった友人・Cちゃんのエピソードです。

仕事も家庭も全力のキャリアママ

私の友達・Cちゃんは、いわゆる「バリキャリ」タイプのママ。出産前はバリバリの会社員で、出産を機に在宅ワークへ切り替えたものの、毎日WEB会議や業務に追われていました。出社しなくても仕事量は変わらず、時には休日までパソコンを開くことも。「子どもとの時間を大切にしたい」と思いながらも、現実は思うようにいかない……そんな日々が続いていました。

娘が見せた「おままごと」

ある日、幼稚園にお迎えに行ったCちゃん。先生が笑顔で、「今日は、おままごとでママ役をしてたんですよ」と話しかけてくれました。おままごとと聞いて、「お料理でもしてたのかな?」と思ったCちゃんですが、先生の口から出てきた言葉にびっくり。

「段ボールを半分に折ってパソコンにして、『はい、それでは会議を始めます』って。みんなを集めてWEB会議をしてたんです!」

子どもなりの想像力に笑いながらも、Cちゃんの胸の奥に小さな不安が広がりました。「もしかして、娘は私が忙しくしているのを寂しく感じているのかも……」

先生の言葉に思わず涙

そんなCちゃんの心を読んだかのように、先生は優しく言葉を続けました。「『ママはおうちでお仕事してるんだね』て聞いたら、『うん! ママお仕事忙しいけど、すっごくカッコいいんだよ! お仕事頑張って、お金貯めて旅行連れてってくれるの!』て話してくれたんですよ」

思わずCちゃんの目から涙がこぼれました。寂しいどころか、娘はそんなママをちゃんと見て、誇りに思っていたのです。

働くママの姿が、子どもの未来をつくる

「この働き方でよかったのかな」と迷いながら続けてきたCちゃん。でもこの日をきっかけに、「私は娘にとってのカッコいいママでいられるように頑張ろう」と思えたそうです。

子どもは親の背中を見て育つと言います。忙しい日々の中でも、頑張る姿そのものが子どもにとっての「理想のママ像」になっているのかもしれませんね。

【体験者:30代・女性会社員、回答時期:2020年10月】

※本記事は、執筆ライターが取材又は体験した実話です。取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。

EPライター:Mio.T
ファッション専攻の後、アパレル接客の道へ。接客指導やメンターも行っていたアパレル時代の経験を、今度は同じように悩む誰かに届けたいとライターに転身。現在は育児と仕事を両立しながら、長年ファッション業界にいた自身のストーリーや、同年代の同業者、仕事と家庭の両立に頑張るママにインタビューしたエピソードを執筆する。