人の気持ちを考えずに部下任せで動かない店長に、ついに正論で立ち向かった友人のカナさん(仮名)。その一言が、停滞していた職場の空気を一気に変えました。信頼とは立場で得るものではなく、責任を果たすことで築かれるのだと感じさせるエピソードです。

放任主義の店長に振り回される日々

全国展開するドラッグストアで正社員として働く私は、お店の店長(40代男性)の言動に悩まされていました。

店長は、人の気持ちを考えていないような発言をしてバイトメンバーを怒らせたり、シフト作成も新人指導も他人任せ。朝の開店準備すら自分ではせず、部下に丸投げするのです。現場のスタッフたちは不満を抱えながらも、直接言えずに我慢を続けていました。

欠勤対応を放置し現場が大混乱

ある日、パートさんが体調を崩して欠勤することに。ところが店長は、何の人員調整もせずにそのまま放置。結果、売り場は人手不足で大混乱に陥りました。

積もり積もったストレスと目の前の現実に、私はついに堪えきれず店長に訴えかけました。「現場が困るようなことはしないでください」と伝えると、店長は「それをフォローするのがキミの仕事でしょ? 社歴長いんだからちゃんと気を回してくれないと困るよ」と逆ギレしてきたのです。

正論で放った一撃

その言葉にショックを受けながらも、私は冷静に言い返しました。「店長は管理職ですよね? その分の手当も皆より多くもらっているはずです。業務を部下に任せるなら、その手当は返金してください。本社にも相談します」と。

店長は真っ青になり、しばらく沈黙。そしてようやく「……悪かった」と小さく謝りました。その瞬間、私の言葉がどれほど重かったのか、誰の目にも明らかでした。

職場に広がった清々しい風

その日を境に、店長は少しずつ自らシフト調整や開店準備を行うようになりました。現場スタッフたちは「カナさん、よく言った!」と拍手喝采。長く淀んでいた職場の空気が、一気に晴れ渡りました。

立場や役職だけが上でも、責任を放棄すれば信頼は得られない。私の伝えたまっすぐな言葉が、店長の態度を改めるきっかけになり、職場全体を前向きに変えたと信じています。

【体験者:30代・女性会社員、回答時期:2025年3月】

※本記事は、執筆ライターが取材又は体験した実話です。取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。

EPライター:Ryoko.K
大学卒業後、保険会社で営業関係に勤務。その後は、エンタメ業界での就業を経て現在はライターとして活動。保険業界で多くの人と出会った経験、エンタメ業界で触れたユニークな経験などを起点に、現在も当時の人脈からの取材を行いながら職場での人間関係をテーマにコラムを執筆中。