広報担当の自慢癖
あるクライアントに、広報担当の山手さんという人物がいました。打ち合わせや電話のたびに「私、〇〇大学出身ですから」と自慢し、周囲の学歴が自分より低いと感じると、皮肉めいた言い方で見下すのです。
最初は笑って聞き流していた編集チームも、その頻度があまりに多く、次第にうんざりしていました。
また始まった学歴自慢……会議は焦燥の
ある日の打ち合わせでも、山手さんは早速自慢話モードに突入しました。「私が在学中に~」「名門大学で学んだ経験からすると~」と、話の内容よりも学歴を前面に出し、時折「まぁ、普通の大学出身の方にはわからないかもしれませんけどね」と、周囲を小馬鹿にするような口ぶりまで。
資料も彼の自慢に合わせて進み、編集チームは「早く本題に……」と内心焦燥するばかりでした。
得意げ上司、ついに沈黙!
そこで、編集担当の1人が落ち着いた口調で質問をしました。「山手さん、学歴の話はさておき、このプロモーション案の最大の問題点は何だとお考えですか? 具体的にリスクや改善策も含めて教えてください」
普段は自信満々で得意げに語る山手さんも、この質問にはたちまち言葉に詰まりました。資料を眺め、口を開こうとするものの言葉が出ません。普段は話をリードする山手さんも、このときばかりは沈黙するしかありませんでした。
学歴自慢も空回り! 編集チームの痛快勝利
結局、別の編集メンバーが具体的なリスクや改善案を示すと、会議は一気にスムーズに進行しました。山手さんは小さく頷くしかなく、「なるほど、そういう考え方もあるか」とつぶやくのが精一杯。それまでの学歴自慢は、どこへやら。チーム全員が心の中でスカッとした出来事でした。
【体験者:30代・女性会社員、回答時期:2023年11月】
※本記事は、執筆ライターが取材又は体験した実話です。取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。
EPライター:miki.N
医療事務として7年間勤務。患者さんに日々向き合う中で、今度は言葉で人々を元気づけたいと出版社に転職。悩んでいた時に、ある記事に救われたことをきっかけに、「誰かの心に響く文章を書きたい」とライターの道へ進む。専門分野は、インタビューや旅、食、ファッション。