これは、私が結婚を控えていた頃に経験した出来事です。準備に追われる中で交わした上司とのやり取りは、思い出しただけで胸がつかえるもの。今回の体験を通して、職場での人間関係や寄り添う姿勢について考えさせられました。

結婚式前日に有給休暇を申請したかった私

結婚式を目前に控えていた私は、準備のために前日を休みにしたいと上司へ相談しました。式場との最終打ち合わせや荷物の搬入など、当日では間に合わない用事が残っていたからです。

しかし男性上司から返ってきたのは「なんで? 当日でもできることじゃないの?」という冷たい言葉。一生に一度の大切な日を軽んじられたようで、胸が詰まりました。
普段からこの上司は、同僚が体調不良で早退を願い出ても「気合いで乗り切れ」と返しており、人の気持ちに寄り添わない様子にもやもやしていたのです。

気持ちをわかってもらえないつらさ

私は結局、丸1日休むことはできず、午後半日のみの休暇にとどめました。本当は心置きなく式の準備をしたかったのに、その願いは叶いませんでした。

新婚旅行の相談でも繰り返された無神経さ

結婚式が終わり、新婚旅行について改めて会社に相談したときも、その上司は変わりませんでした。

「そんなの年末年始に行けばいいじゃん」

軽い口調で放たれたそのひと言に、私は再び絶句しました。年末年始は航空券や宿泊費が高騰し、観光地も大混雑。私が繁忙期を避けて日程を調整していたことなど、まったく理解していないようでした。

すると周囲の同僚たちが「それは非常識だよ」「年末年始なんて無理に決まってる」とすぐにフォローしてくれました。同僚たちの言葉に救われ、孤独感から少し解放された瞬間でした。

無神経な上司から学んだこと

この経験を通して「自分は絶対に同じことを言わない」と心に誓いました。

人の大切な節目を軽く扱われるのは本当につらいものです。だからこそ私は、人に寄り添う姿勢を忘れずにいたいと強く思うようになりました。
上司の無神経な言葉は苦い思い出となりましたが、結果的には“自分がどうあるべきか”を考えるきっかけを与えてくれた出来事でもありました。

【体験者:20代・女性会社員、回答時期:2020年6月】

※本記事は、執筆ライターが取材又は体験した実話です。取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。

EPライター:北山 奈緒
企業で経理・総務として勤務。育休をきっかけに、女性のライフステージと社会生活のバランスに興味関心を持ち、ライター活動を開始。スポーツ、育児、ライフスタイルが得意テーマ。