子どもの命を預かる尊いお仕事・保育士さん、保育補助員さん。ほとんどの方が日々懸命に従事してくれている中、ごく稀に変わった人がいるのも事実。これは、大手企業内にある企業型保育園で保育士をしている友人から聞いた話です。

初日から放たれた衝撃の一言

私は企業型保育園に勤務しています。ある日、派遣で新しく保育補助員として配属された女性が、初出勤の朝に突然こう尋ねてきました。

「ここの園って、シングルファザーの人どれくらいいますかぁ?」

あまりに唐突な質問にびっくり。「個人情報だし、私も入ってきたばかりで詳しく知らないなぁ」とはぐらかしたものの、女性はさらに「じゃあ、誰が一番古い(昔からいる)んですか?」と食い下がってきたのです。

ゴルフウェアで通勤

その後も彼女の言動には驚くばかり。ある日、露出の高いゴルフウェアで出勤してきて「大手企業の人はゴルフ好きだから」と語ります。すぐに服装について園から注意を受けました。

さらに彼女は、「お天気が良いですね」といった日常会話のようなテンションで男性の理想について話します。

「シングルの中でも死別したシングルファザーがいいんですよ。離婚する人って人間性に問題がありそうで」

彼女の露骨な言い方に私を含め、周囲のスタッフは言葉を失いました。

男性保護者へのあからさまな態度

朝夕のお子さんの受け渡しも、男性の保護者が来るとだれが見てもわかるほどの態度の変わりようでした。
普段は簡単な一言で済ませる引き継ぎも、男性保護者とは長々と世間話。視線を合わせながら、笑顔で声を弾ませます。

しかし、園児への保育はきちんとしていたため、園側も即座に解雇するわけにはいかず、対応に苦慮していました。

突然の解雇

そんなある朝、出勤すると彼女の姿が見当たりません。同僚に尋ねると「解雇された」とのこと。
なんと彼女は派遣元の規定に反し、自分の連絡先を複数の男性保護者に渡していたのでした。複数の保護者からクレームが入り、派遣会社は即日解雇を決定したそうです。
そして驚くことに、彼女は前にも別の企業型保育園で同じことをして厳重注意を受けた過去がありました。

彼女が去った後、園には平穏な日常が戻りました。
保育士としての仕事はこなしても、職場の規律を守らない振る舞いは自らを追い詰めてしまうもの。プロとしての立場と信頼の大切さを改めて感じた出来事でした。

【体験者:30代・女性・会社員、回答時期:2025年8月】

※本記事は、執筆ライターが取材又は体験した実話です。取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。

EPライター:桜井ひなの
大学卒業後、金融機関に勤務した後は、結婚を機にアメリカに移住。ベビーシッター、ペットシッター、日本語講師、ワックス脱毛サロンなど主に接客領域で多用な仕事を経験。現地での出産・育児を経て現在は三児の母として育児に奮闘しながら、執筆活動を行う。海外での仕事、出産、育児の体験。様々な文化・価値観が交錯する米国での経験を糧に、今を生きる女性へのアドバイスとなる記事を執筆中。日本でもサロンに勤務しており、日々接客する中で情報リサーチ中。