何かを継続することは簡単ではありません。しかし、その積み重ねこそが必ず成功につながります。
今回は、私が出版社で働いていた頃、同僚と力を合わせてコツコツ取り組んできたことが、やがて実を結んだエピソードを紹介します。

コーヒー片手のアイデア会議と、小さな積み重ね

出版社で働いていた頃、私は同僚の吉川さん(仮名)と定期的に雑誌をどう面白くするか話し合う時間を持っていました。
毎週1時間、コーヒー片手にアイデアを出し合う、地味な時間。
「このページ、もう少し遊び心があったほうがいいかな」
「うん、写真はこっちの方が映えるかも」
そんな何気ない会話を重ねながら、小さなアイデアを試行錯誤し、メモを取り、意見を交換する地道なひととき。
しかし、その小さな積み重ねがやがて大きな成果につながるとは、当時は思っていませんでした。

「面白そう!」から始まった挑戦

ある日、私たちは特集記事に新しいコーナーを加えることを思いつきました。
「読者参加型の企画にしてみませんか?」と私が提案すると、吉川さんは目を輝かせて答えました。「面白そうですね!どんな形で参加してもらうか、ルールも考えないと」
私たちはルールや掲載方法を何度も練り直しました。アイデアの修正や試行錯誤は、時に夜遅くまで続きます。
「この文章の書き方だと、読者が迷っちゃうかも」
「なるほど、じゃあこの部分は図を入れて説明してみましょう」
そんな会話を何度も繰り返しながら、企画は少しずつ形になっていきました。

読者の声が教えてくれた、努力の意味

そして、そのコーナーが初めて誌面に登場した日。
編集部で校了を見守る私たちのもとに、読者アンケートや反響の声が届きました。
「これ、読者からのコメントですよ!」と私が紙を差し出すと、吉川さんは笑顔で読み始めました。「『面白い!』って書いてありますよ!」二人で顔を見合わせ、思わず笑い合いました。
「やったね、ここまで頑張った甲斐がありますね」と私。
吉川さんも頷きながら、「本当に。こんなに喜んでもらえるなんて」と答えました。
あの小さな時間の積み重ねが、読者の笑顔につながった瞬間でした。

頑張りが届いた瞬間

振り返ると、成功の裏には華やかな瞬間だけでなく、地味なアイデア出しの時間や、試行錯誤、悩み抜いた日々がありました。
あの経験は、努力の積み重ねがやがて大きな成果につながることを、私に教えてくれました。

【体験者:20代・女性会社員、回答時期:2023年11月】

※本記事は、執筆ライターが取材又は体験した実話です。取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。

EPライター:miki.N
医療事務として7年間勤務。患者さんに日々向き合う中で、今度は言葉で人々を元気づけたいと出版社に転職。悩んでいた時に、ある記事に救われたことをきっかけに、「誰かの心に響く文章を書きたい」とライターの道へ進む。専門分野は、インタビューや旅、食、ファッション。