筆者の後輩が実際に経験した、新人営業担当者とのエピソードです。営業以外は一切やらないと豪語していた彼。ある出来事をきっかけに大きく態度を改めました。

若手4人で回す多忙な部署で、新卒の営業担当者とペアに

ゆみこさん(仮名・26歳)は、都内の部署で事務を担当していました。育休や長期休暇のメンバーが重なり、本来7人いるはずの事務を若手4人で回すという多忙な日々。

そんな中、新人営業の中田さん(仮名・男性23歳)とペアを組むことに。彼は、担当企業への回答が遅れたり、提出期限を守らなかったりと、「社会人としてもう少し成長が必要だな」と感じることが多かったそうです。

営業以外は自分の仕事じゃない?

さらに中田さんには「それは事務の仕事ですよね、自分は営業なんで」という口癖が。電話対応やコピー用紙の補充といった雑務は一切やろうとせず、事務任せ。

そんなある日、外出中の中田さんから「これ急いで作成して今日中に先方に回答してください」と仕事を依頼されました。しかしその依頼は既に回答期限を過ぎた案件で、本来は自分で謝るべき内容。そう伝えると、中田さんは「なんのために1日中会社にいるんですか?僕営業なので外回りで忙しいんです」と言い放ちました。

客先のベテラン女性社員の逆鱗

ところがその電話、中田さんは客先の会社の廊下でしていたのです。彼の発言を、偶然通りかかった客先の事務担当のベテラン女性社員が耳にしてしまいます。「ちょっと! あんた今なんて言ったの? こっちだって1日中会社で電話に出たり書類作ったりやることがあるのよ! 自分だけが忙しいと思ってるわけ?」

周囲の社員もざわつき、中田さんは自分の態度がどれほど不誠実だったのかを、客先で恥をかく形で思い知らされることになりました。

人はきっかけ次第で変わることができる

この一件は彼にとって相当なインパクトを残したようで、中田さんは翌日すぐにゆみこさんへ謝罪。それ以降、事務担当を尊重するようになり、なんと電話応対まで積極的にこなすように。ゆみこさんは「人はきっかけがあれば変わることができるのだ」と感じたそう。理不尽さに悩まされた日々でしたが、結果的には中田さんが大きく成長する転機になった出来事となりました。

【体験者:20代・女性会社員、回答時期:2022年9月】

※本記事は、執筆ライターが取材又は体験した実話です。取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。

EPライター:Ryoko.K
大学卒業後、保険会社で営業関係に勤務。その後は、エンタメ業界での就業を経て現在はライターとして活動。保険業界で多くの人と出会った経験、エンタメ業界で触れたユニークな経験などを起点に、現在も当時の人脈からの取材を行いながら職場での人間関係をテーマにコラムを執筆中。