新しい住まいを探す時は、間取りや家賃、立地など気になることがたくさんあります。けれど実際に足を運んでみると、条件だけでは測れない感覚に出会うこともあるのです。今回は、筆者本人が体験した、少し不思議なエピソードを紹介します。

広さも家賃も理想的な家

再婚後、子どもが4人に増えた私の家庭。2LDKのアパートでは手狭になったため、広い物件を探すことになりました。

知人から空き家情報をもらったのは昔ながらの一軒家で、2階建ての6LDK。家賃も4万5千円と条件が良く、すぐに大家さんに連絡しました。

ただ霊感の強い実家の影響もあってか、これまでに住んできた家でも不思議な現象に遭うことが多かった私。そのため、時間帯を変えて何度か内見をさせてもらいました。日中や夕方、そして夜にも内見しても特に嫌な気配はなかったことを確認して、私たちは契約を済ませたのです。

引っ越し前の掃除中に目にしたもの

引っ越し直前、私は母と2人で新居を掃除しました。掃除がひと段落つき、リビングで腰を下ろして話していたところで、事件が起きました。

目の前の部屋の前を、“白い足”がスッと横切ったのです。

「え?」と声をあげた私に、母も「今、誰かが歩いていったよね?」と驚いた表情。2人とも同じものを見たことになります。

背筋がぞくりとしました。けれど、もう契約も済んでいたので後戻りはできず……。不安を抱えながらも家を借りることになったのです。

住み始めてからも続く、不思議な生活

実際に新居へ住み始めてからも、家族以外の気配や足音、玄関の開閉音をたびたび感じていました。

ただ、その音や気配には不思議と嫌な感じがしないのです。なので、私たちはあえて気にしないことに。夜中に聞こえる足音も「誰かが歩いているんだろう」と、自然に受け止められるようになっていきました。

知らされた意外な事実

そんなある日のこと。私は、家を尋ねてきた知り合いの郵便配達員さんから驚きの事実を知らされます。

「この家、以前おばあさんが亡くなってるんですよ。何か感じませんか?」

驚く私に、我が家の霊感の強さを知っている配達員さんは笑顔で「そのおばあさん、まだここで生活してるみたいだから仲良くしてあげてくださいね」と付け加えました。

後日、実際に大家さんの母親がこの家で亡くなっていたことを知った私。とはいえ、その存在は特に悪さをするわけでもなく、静かに私たちとともに暮らしているようなのです。

怖さだけではない存在

不思議な現象に出会うと恐怖を感じがちですが、必ずしも全てが人を脅かす存在ではないのだと、この家での生活を通して学びました。

見えない住人も、ただここで穏やかに過ごしているのかもしれません。私たちもそう思って、安心してこの家で暮らし続けています。

【体験者:40代・女性パート、回答時期:2025年8月】

※本記事は、執筆ライターが取材又は体験した実話です。取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。

EPライター:hiroko.S
4人を育てるママライター。20年以上、接客業に従事。離婚→シングルマザーからの再婚を経験し、ステップファミリーを築く。その経験を生かして、女性の人生の力になりたいと、ライター活動を開始。現在は、同業者や同世代の女性などにインタビューし、リアルな声を日々収集。接客業にまつわる話・結婚離婚、恋愛、スピリチュアルをテーマにコラムを執筆中。