プールに行く前の何気ない時間が、なぜか家族総出の大騒動へ。
思い出すと今でも笑ってしまう、忘れられない夏休みの出来事をご紹介します。
プール前の兄弟バトル勃発
真夏の昼下がり。外はじりじりと照りつける日差し、蝉の声が鳴き止まない中、私たちは午後からプールに行く予定でした。
お昼ごはんを食べ終え、母が台所で片付けをしている間、妹と弟と家の中を走り回っていました。
きっかけは、水鉄砲が2つしかなかったこと。3人で取り合いになり、すぐに争奪戦へ。妹とは2歳半差、妹と弟は1歳半差でとても仲良し。私は弟と遊ぶときは力加減がちょうど良く、すぐ取っ組み合いになってしまう間柄でした。
受話器に直撃!突然の「はい、警察です」
「返せー!」「助けてー!」
笑い声と叫び声が入り混じる中、私は勢いあまって弟を押しました。
ガンッ! 弟の背中が電話台の受話器に直撃。
そのまま電話が繋がり、「はい、警察です」という低い声が受話器から聞こえました。
しかし私たちは状況も理解できず、「ギャーギャー!」と大騒ぎのまま通話は切断。数十秒後、家の電話が鳴り響きます。
母の大慌てと父からの一喝
受話器を取った母の顔色は一瞬で変わりました。
「えっ…警察!? あの、すみません!子どもが…」
慌てて事情を説明する母でしたが動揺は隠せず、なんと仕事中の父にまで連絡。
事情を聞いた父は電話口で「何やってるんだ!」とかなりご立腹。母も半ば混乱状態で、台所からは片付けの音ではなく、ため息と焦りの声ばかりが響いていました。
家族の鉄板ネタになった“110番事件”
やがて玄関先に現れた警察官は事情を聞くなり苦笑し、「仲がいいのはいいけど、気をつけてね」と一言。
その直後、母から「もう二度と家の中で取っ組み合い禁止!」と雷が落ち、私たち3人は正座で反省することに。
けれど夜になると、母が「警察官、笑いこらえてたよね」と笑い出し、結局は家族で大笑い。後日、水鉄砲を買ってもらい、家族5人でプールを満喫。
今でも夏になると必ず話題に上る、“110番事件”はわが家の鉄板ネタとして語り継がれています。
【体験者:60代・女性主婦、回答時期:2025年5月】
※本記事は、執筆ライターが取材又は体験した実話です。取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。
EPライター:Tomoyo.H
郵便局や年金機構、医療法人の管理部門を歴任。これらを通して、働く人の労務問題や社会問題に直面。様々な境遇の人の話を聞くうちに、そこから「自分の言葉で誰かの人生にいいきっかけをもたらせたら」と、執筆活動をスタート。得意分野は、健康や自然食、アウトドア。