幼馴染との久しぶりの再会
地元のドラッグストアで働く私は、お盆や年末年始などの多くの人が帰省する時期は、ほとんど休みなく出勤。人が多く集まるこの時期は、どこか独特な賑わいがあり、店内の空気もいつもとは少し違います。
そんな中、思いがけない出会いがあるのも、この仕事のちょっとした楽しみのひとつ。ある年のお盆、東京で暮らしている私の幼馴染が数年ぶりに店を訪れてくれたのです。
「元気そうだね」と短く言葉を交わし、懐かしさに胸がいっぱいになりました。するとその直後、今度は千葉に住んでいる中学時代の友人が偶然来店。驚きの連続にテンションが上がっていたところ、さらに賑やかなグループが店に入ってきました。
偶然が重なって起きたまさかの光景
店内に入ってきたのは、地元に残っている友人2人と、遠方に住んでいる友人3人。駐車場で偶然再会して、そのまま一緒に買い物に来たのだそうです。
その日、なんと一度に7人の同級生と再会するという、思ってもいなかった展開に。仕事中で忙しかったため、ゆっくり話すことはできませんでしたが、みんなが「この店に来れば、きっとあんたに会えると思って!」と笑って話してくれたことが本当に嬉しかったです。
地元で働くということ
友人たちは、私が今も地元でこの仕事を続けていることを覚えてくれています。用事があって来たわけでもないのに、「顔を見に来たよ!」と立ち寄ってくれるその気持ちが、何よりもありがたく感じました。
地元を離れて暮らしている友人たちと、偶然とはいえ同じタイミングで再会できたことは、私にとって忘れられない一日になったのです。
働く場所がつなぐもの
成人式で集まってから20年以上、なかなか全員が揃うことができなかった仲間たちと、思いがけずプチ同窓会のような時間を過ごせたこの日。地元で接客業をしているからこそ得られた特別な経験でした。
働いているお店が、誰かにとっての「帰る場所」や「つながり」になっていること。そのありがたさと尊さを、改めて感じた出来事でした。
【体験者:40代・女性パート、回答時期:2025年6月】
※本記事は、執筆ライターが取材した実話です。ライターがヒアリングした内容となっており、取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。
EPライター:hiroko.S
4人を育てるママライター。20年以上、接客業に従事。離婚→シングルマザーからの再婚を経験し、ステップファミリーを築く。その経験を生かして、女性の人生の力になりたいと、ライター活動を開始。現在は、同業者や同世代の女性などにインタビューし、リアルな声を日々収集。接客業にまつわる話・結婚離婚、恋愛、スピリチュアルをテーマにコラムを執筆中。