筆者の知人である伊藤さん(仮名)はホームセンター隣接のペットショップで働いています。ある日、動物が入っているガラスをバンバンと叩く男の子に遭遇。注意すると、その子の母親が……!? ちょっとびっくりしたお客さんとのエピソードです。

ホームセンター隣接のペットショップ

伊藤さんの働くペットショップでは、子猫や子犬を中心に数多くの動物を販売しています。ペットを購入する予定がなくても、ホームセンターに来たついでに可愛い動物たちの姿を見に立ち寄るお客さんもいました。

注意をするが、理不尽なお客さん!

ある日、3歳くらいの男の子とお母さんが子猫を見ていました。しかし、男の子が子猫に振り向いてほしかったのか、子猫のいるケースのガラスをバンバンと叩き始めてしまったのです。「ガラスを叩かないで下さい」と大きな貼り紙があるにも関わらず、お母さんは注意もせずただ隣で見守っていました。

男の子の力がどんどん強くなっていくので、伊藤さんは「ごめんね、ガラスを叩くと猫ちゃんがびっくりしちゃうんだ。だから、叩くのをやめてもらっていいかな?」と優しく男の子に声をかけました。

するとお母さんが、「でも、私たちはお客さんですよ? 子猫を見に来ているのに全然こっちを見てくれない。だから、息子は子猫に振り向いてほしくて呼んでいるんです!」と言いだしたのです。

「ですが、猫たちがびっくりしてしまうので、ご協力をお願いいたします。大きな音を出すとストレスがかかってしまいます」と伊藤さんは再度伝えました。

それでもお母さんは「私たちはホームセンターで買い物したついでに見にきているの。息子はまだ3歳よ? そういうお客さんのことを悪く言うのね」と話になりません。

話が噛み合わないお客さんを黙らせたのは!?

伊藤さんは話が噛み合わないお客さんに、「これ以上、何を言えば分かってくれるんだろうか」と悩んでいました。

すると、すぐ近くにいた小学生くらいの女の子が「ルールを守らないでガラスを叩いて、猫ちゃん可哀想。猫ちゃんだって怖がるし、それじゃあこっちを向かないよ。お母さんもそれをちゃんと教えてあげないの?」と親子に向けて言ったのです。

突然のことに何も言い返すことができず、顔を真っ赤にするお母さん。「もう帰りましょ」と男の子の手を引き、その場から去っていきました。その日以来、伊藤さんがその親子をホームセンターで見かけることはありませんでした。

より毅然とした態度で

理不尽なお客さんでしたが、女の子の素直な言葉に伊藤さんが救われた出来事でした。伊藤さんも、今後は動物を守るためにより毅然とした態度で対応しようと誓ったそうです。

【体験者:20代・女性正社員、回答時期:2025年5月】

※本記事は、執筆ライターが取材した実話です。ライターがヒアリングした内容となっており、取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。

EPライター:佐野陽菜里
大学卒業後、企業で管理職として活躍するも、妊娠出産を機に退職。育児しつつ、「自分の言葉で文章を書いて、発信したい」とライターに転身。接客業や恋愛のテーマを得意とし、日々インタビューをして情報を収集。