職場の雰囲気や働きやすさを大きく左右する要素になりうるのが、従業員同士の人間関係。今回は筆者が体験した、学生時代にアルバイトをしていたカフェでの人間関係が招いた苦〜いエピソードをご紹介します。

お店の古株「Aさん」に嫌われていた私

私が学生時代に働いていたカフェに、Aさんという先輩がいました。

Aさんは長くそのカフェで働いていて、お店の中でも大きな影響力を持つ存在。学生でバイト経験が少ない私は、コミュニケーション能力も高くなく、いつの間にかAさんにかなり嫌われてしまったようでした。

私の全てが気に入らない様子のAさん

私が料理ができあがるのを待っていると「そこで待つな!」と怒られたり、水を飲んでいたら「水飲みすぎ」と言われたり……とにかく一挙一動に文句をつけられていました。

Aさんは私のなにがそんなに気に入らないんだろう……と悔しく思いつつ、しばらくは私も耐えていました。しかしある日のこと。私のロッカーに、驚くべきものが貼られていたのです。

ロッカーに貼られた驚きのものとは……

なんとそれは、Aさんを頂点とした「カースト表」!
三角形の図にカフェで働く従業員の名前が書かれ、私は最下位に位置づけられていました。

怖くなった私は思わず他の学生スタッフに相談。カースト表にまつわる話を聞いて、さらに愕然としました。その表は他でもないAさんが作成したもので、Aさん自身がそれを複数人に見せて回っていたそうです。

その後もAさんの嫌がらせはエスカレート。ついに私は耐えきれなくなり辞めることを決意しました。辞める直前にお店のオーナーに泣きながら相談したのですが、オーナーはこのように話すだけ。

「Aさんは前からあんな感じで、今までも何人か辞めてしまっているんだよね。ぼくも困っているけど、長く働いてくれているから……」

なんとオーナーまでも、Aさんの「お局様行為」を黙認していたのです。

私が辞めたその後……

私が退職後しばらくして、カフェは閉店しました。

いじめられていたのは私だけではありませんでした。他のスタッフもAさんの態度に悩まされ、長く続けることができなかったそうです。それらも私は後になって知った話でした。

カフェの閉店理由は色々あるのでしょうが、スタッフが定着しなかったことや、職場の雰囲気が悪かったことも大きな原因の一つだったのではないかと思います。

働きやすい職場は、やっぱり「人間関係」が大切

この苦い経験から、人間関係の問題を放置することは、職場に大きな影響を与えうると痛感しました。人が定着しないと職場の雰囲気はもちろん、お店の経営にも悪影響を及ぼします。スタッフが安心して働ける環境を作ることの大切さを、若くして学んだ出来事でした。

【体験者:10代・飲食店、回答時期:2010年8月】

※本記事は、執筆ライターが取材した実話です。ライターがヒアリングした内容となっており、取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。

EPライター:Mio.T
ファッション専攻の後、アパレル接客の道へ。接客指導やメンターも行っていたアパレル時代の経験を、今度は同じように悩む誰かに届けたいとライターに転身。現在は育児と仕事を両立しながら、長年ファッション業界にいた自身のストーリーや、同年代の同業者、仕事と家庭の両立に頑張るママにインタビューしたエピソードを執筆する。