筆者がホームセンターで勤務していた時のことです。
店長は新人女性社員の佐藤さん(仮名)を何かにつけて優遇し、その行き過ぎた対応に周囲は不信感を募らせていました。今回はとあることがきっかけで、2人の”秘めたる関係”が浮き彫りになってしまったお話をご紹介いたします。

売り場の責任者

私が勤務していた店舗は、日用品、リフォーム用品、園芸用品の大きく3つの売り場に分かれていました。売り場ごとに違う責任者があてがわれており、日用品売り場の責任者が一か月前に入社してきた佐藤さんです。
この佐藤さんと店長の関係性について最初に違和感を覚えたのは、新入社員が3人入社した時に行われた配置決めの時でした。

日頃から店長に優遇される佐藤さん

「そろそろ会議、始めるよ」
店長は最近よくスタッフルームに顔を出します。今日もドアから顔をのぞかせると、そこにいた佐藤さんに声を掛けました。私は日頃から2人は仲が良い印象を持っていて、年齢も近いし馬が合うのだろうと思っていたのです。

その日はほかの売り場責任者も一堂に集まり、”新入社員の売り場の配置決め”をする日だと佐藤さんから聞いていました。かく言う私は責任者ではありませんが勤務歴が長く、現場の声要員としてその会議に参加するように言われていたのです。

会議が始まるやいなや、店長から驚きの発言を耳にします。
「佐藤さん。君は皆の中で一番頑張っているし、どの子が欲しい? 店長の権限で、選ばせてあげる」

私もほかの責任者も驚きで目を丸くしていると、佐藤さんは「えっいいんですかあ?」と言いながら、自分のお気に入りの新人社員を指名しました。
しかし、そのやりとりを不満に思ったほかの責任者が、「もっと新人さん達の希望や現場の状況などを考慮して、慎重に決めるべきでは?」と訴えました。

それに対して店長は、「佐藤さんは優秀だから。どんな新人でも、佐藤さんの直属の部下として学べる子はラッキーだし、喜んだ方がいい」と半ば無理やりとも言えるやり方で、新人の配置は決定してしまったのでした。

優遇される理由!?

次の日も店長はスタッフルームに来ると、佐藤さんの横を陣取り、2人はくすくすと小さな声で話を始めます。
「そういえば店長、前はこんなに頻繁にスタッフルームに来なかったよな......」
前日の会議の一件から、今まで感じていた2人の親密さにどんどんと違和感を覚えるようになった私。それからというもの、店長と佐藤さんの仲は深まっていくばかりでした。

しかし、それから数日経ったお客様もまばらなある日の午後、店長の奥さんと名乗る女性が大きな封筒を持って店舗にいきなりやって来ました。
「あなたが主人の不倫相手ね? 全部証拠は揃ってるから、言い逃れはできないわよ」

女性は店長と佐藤さんが手を繋いで佐藤さんの社員寮に入っていく姿が収められた写真を、佐藤さんが立つレジカウンターに叩きつけました。

不倫の末路

店長と新人責任者の不倫発覚後、店長は降格、左遷の処分となりました。佐藤さんは新人という立場も相まって今まで通り働くことが気まずくなったのか、数ヶ月後、自主退職となりました。

その後、ほかのスタッフの話を聞いてわかったことですが、私が目にした事柄以外にも、2人が不倫していたことを後ろ盾するような目撃談が多くあったそうです。

仕事における公私混同に加えて、不倫など言語道断ですよね。

【体験者:20代・女性主婦、回答時期:2021年10月】

※本記事は、執筆ライターが取材した実話です。ライターがヒアリングした内容となっており、取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。

EPライター:佐野陽菜里
大学卒業後、企業で管理職として活躍するも、妊娠出産を機に退職。育児しつつ、「自分の言葉で文章を書いて、発信したい」とライターに転身。接客業や恋愛のテーマを得意とし、日々インタビューをして情報を収集。