レジ応援は並んでいた順番通りにご案内
私の働くお店では2台のレジがあるのですが、基本的にレジ担当者は1人。そして、レジ応援に入るスタッフは、必ず2番目のお客様の誘導を徹底しています。
ただ、中には先回りして割り込んでくるお客様も……。とはいえ、順番に案内することを伝えると大抵のお客様は大人しく待っていてくれるのですが、この日は違いました。
順番を守らない中年の男性客
朝の忙しい時間帯、レジ応援に走っていった私は、メインレジに並んでいた2番目の女性客を隣のレジへ案内。しかし、そこに中年の男性客が割り込んできたのです。
「先に案内しているお客様がいらっしゃいますので」と男性に伝えると、「あんたが案内した客はどっか行ったから、俺を先に通せ」と言います。けれど、私が案内した女性は、男性の後ろで困惑した様子で立っているのです。
再度、順番を守っていただくよう話したのですが、「うるせぇ! 俺が先だ!」と逆上。「先にレジしてあげてください」と女性が譲ってくれたので、私はお礼を言って男性をレジに通しました。
「俺を先に通さないから」文句を言い続ける男性
レジを開始した私に向かって、男性は「お前がさっさと俺を通さないからこんなことになるんだ。俺も後ろの人も嫌な気分になっただろ?」と言ってきたのです。一瞬「いやいや……」と思ったのですが、聞こえない振りをしてやり過ごそうとしました。
けれど、男性はずっとブツブツ文句を言っています。心を無にして全ての商品のスキャンを終え、「レジ袋はご利用ですか?」と聞いた私に、「袋がなくてどうやって持って帰るんだよ? 本当に使えねぇ店員だな。バカかお前?」と言い放つ男性。
私もついムッとして、お釣りを渡しつつ「お客様には言われたくないです」と呟いてしまいました。
暴言を吐き捨てた男性に天罰?
そんな私に向かって男性は吐き捨てるように「死ねよ!」。
あまりにも子供じみた発言に呆れていたのですが、その時、順番を譲ってくれた女性が周りに聞こえるように「あれが噂のカスハラなのね。本当にかっこ悪いわね」と言ってくれたのです。さらに、「あなたが順番を守らないから、私も店員さんも気分悪くなったわ」と続けました。
周りから向けられた冷たい視線にも耐えきれなくなったのか、男性は急に静かになり、さっさと袋詰めを済ませると足早に帰っていったのです。私が言いたかったことを全て言ってくれた女性のおかげで、心の底からスカッとした出来事でした。
【体験者:40代・女性パート、回答時期:2025年5月】
※本記事は、執筆ライターが取材した実話です。ライターがヒアリングした内容となっており、取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。
EPライター:hiroko.S
4人を育てるママライター。20年以上、接客業に従事。離婚→シングルマザーからの再婚を経験し、ステップファミリーを築く。その経験を生かして、女性の人生の力になりたいと、ライター活動を開始。現在は、同業者や同世代の女性などにインタビューし、リアルな声を日々収集。接客業にまつわる話・結婚離婚、恋愛、スピリチュアルをテーマにコラムを執筆中。