働いていると、お客さんや同僚など、さまざまな人と関わる機会があります。中には、楽しい人や面白い人もいれば、少し変わった人や時には苦手に感じる人と出会うことも。今回は、私がアパレル販売員として働いていた時、思わず「それってどうなの?」と感じてしまった同僚のエピソードをお話しします。

後に入ってきた40代フリーターの男性

私が某ショッピングセンターの服屋さんで働いていた時の話です。スタッフは全員で6人ほどのお店で、長崎さん(仮名)は、私よりも後に入ってきた40代フリーターの男性でした。そのお店では、裾上げ作業があったのですが、長崎さんは「僕は不器用だから」と最初から覚えることもしませんでした。

急ぎの裾上げをお願いされ……

ある日のこと。その日も裾上げの依頼が入っており、長崎さんはやらないので私がやることに。お客様はお急ぎだったようで、「申し訳ないけどこの時間までに裾上げをしてほしい」とのご依頼。私は急いでミシンの糸を変えたり、アイロンの準備をしたりして、時間内に裾上げを終わらせました。

少し早く裾上げが終わったのでお客様を待っていると、別の裾上げの依頼が入ったので、私はレジの後ろにあるミシンで裾上げの準備をしていました。そこに先ほどの裾上げのお客様が戻ってきて、手が空いていた長崎さんがレジをすることになりました。

お客様は労ってくれたのですが……

お客様は、「急がせてごめんね! でも上手にやってくれてありがとうねぇ!」と言ってくださったのですが、それに対してなんと長崎さんは「いやー、なんとかしました!」と、まるで自分が裾上げしたかのように返答したのです。

後ろで聞いていた私は、あまりにもびっくりして絶句。お客様は、誰が裾上げしたかわからないため、レジをした長崎さんにお礼を伝えてくれたのでしょう。それなのに、対応した私がすぐ後ろにいる中「なんとかしました!」って……! とイライラしてしまいました。

後日店長にしっかり愚痴を聞いてもらいました

後日店長と雑談中、どうしても気が収まらなくて、冗談半分で「そういえば長崎さん、この前私が裾上げしたのをまるで自分がしたみたいに、思いっきり自分の手柄にしていったんですけど!(笑)」と言うと、「長崎くんね……俺の手柄も全部持っていくんだよ」と驚きの返答が。

店長との答え合わせで、常習犯であることを知りびっくり。同時に、「そういう人なんだな」と残念な気持ちになりました。同僚は、仕事を通じて相手の人柄を見ているもの。「何気ない発言や行動こそ、気をつけよう」と肝に銘じた出来事でした。

【体験者:30代・販売員、回答時期:2024年10月】

※本記事は、執筆ライターが取材した実話です。ライターがヒアリングした内容となっており、取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。

EPライター:Mio.T
ファッション専攻の後、アパレル接客の道へ。接客指導やメンターも行っていたアパレル時代の経験を、今度は同じように悩む誰かに届けたいとライターに転身。現在は育児と仕事を両立しながら、長年ファッション業界にいた自身のストーリーや、同年代の同業者、仕事と家庭の両立に頑張るママにインタビューしたエピソードを執筆する。