ビールを買いにきたのは18歳の少年
私の働くドラッグストアはとても田舎にあるので、お客様の大半は顔見知り。年齢確認しなくても地元の若者の年齢は大体把握できています。
ある日の夕方、仕事帰りのお客様で混雑していた私のレジに一人の若者がビールケースを抱えてきました。ビールを持ってきたのはB君。私の次男の同級生で、まだ18歳です。高校には通っておらず、一応社会人ではあるのですが、だからといってビールを売るわけにはいきません。
「20歳未満の人にお酒を売ることはできないんですよ。誰か大人の人はいませんか?」
そうB君へ伝えました。
ビールを頼んだ祖父は車で待機
すると、「じいちゃんに頼まれた。車で待ってるけど……」とボソッと口にします。
孫に頼まなくても……と内心思いつつ、B君にはおじいさんを連れてきてもらうことにしたのですが、数分後、B君と一緒に店内に入ってきたのは、なんともふてぶてしい態度の男性。ブツブツ文句を言いながら、レジまでやってきました。
「昔は買えたのにな!」
「20歳未満の方にお酒を売ることはできません」改めてそう伝えた私に、「車に俺がいるんだからいいだろ!」と言い放つ男性。
「いえ、ダメです。大人の方がちゃんとレジで会計してください」同じことを繰り返さないよう、私も引かずに言い返します。様子を伺っていた同僚も、レジ近くで待機してくれていました。
「昔は子供でも買えたのにな。本当に使えねえな!」と口にする男性。
男性の横柄な言葉に、我慢できなくなったのは同僚でした。「この店、営業停止になりますよ。責任取れるんですか?」
意地でも孫に会計させようとする男性
同僚の言葉に、一旦はおとなしくなった男性。しかし、いざお会計になると、男性はまたしてもB君を残してどこかへ行ってしまうのです。
意地でもB君に会計させたいのでしょうか。私は男性の元へ行き、改めて説明。男性はしぶしぶレジに戻って会計を済ませ、B君を連れて帰っていったのですが、なんともモヤモヤが残る出来事でした。
【体験者:40代・女性パート、回答時期:2025年3月】
※本記事は、執筆ライターが取材した実話です。ライターがヒアリングした内容となっており、取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。
EPライター:hiroko.S
4人を育てるママライター。20年以上、接客業に従事。離婚→シングルマザーからの再婚を経験し、ステップファミリーを築く。その経験を生かして、女性の人生の力になりたいと、ライター活動を開始。現在は、同業者や同世代の女性などにインタビューし、リアルな声を日々収集。接客業にまつわる話・結婚離婚、恋愛、スピリチュアルをテーマにコラムを執筆中。